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士業向け予約システム|相談料の取りこぼしを防ぐ設計【2026年版】

9分で読める 森本 健 / SailLab 編集部
士業向け予約システム|相談料の取りこぼしを防ぐ設計【2026年版】

税理士・社会保険労務士・行政書士・弁護士など、相談を受けて報酬をいただく仕事では、オンライン相談を仕組み化しようとすると、たいてい途中で止まります。予約ページは作れても、相談料をいつ・どうやって受け取るかが相手によって違い、1つの予約フォームに収まらないからです。

士業の相談相手は、支払いの観点で見ると「初回の個人客」「法人・単発の相手」「顧問先や既存客」の3種類に分かれます。それぞれ相談料を受け取る自然なタイミングが違う――ここが、日程調整だけのツールや汎用フォームでは設計しづらい理由です。本記事では、この3種類をどう予約ページに落とすか、機密性と事前ヒアリングの担保、ツールの選び方、費用対効果までを、士業の実務に沿って解説します。

相談・面談ビジネスの予約設計を広く見直したい方は、サービスビジネス向けリソース集もあわせてご覧ください。

予約フォームを置くだけでは相談料が漏れる

オンライン相談を始めるとき、多くの事務所はまず予約フォームやカレンダーを用意します。ところが、予約と相談料の集金が別々のままだと、次の3か所で取りこぼしが起きます。

予約と決済が別々のときに相談料が漏れる3か所 日程調整・オンライン相談・後日の請求という流れで、日程の往復・準備不足・未回収の3か所で取りこぼしが起きることを示した図 ①予約・日程調整 フォームやメールで調整 ②オンライン相談 当日、画面越しに実施 ③後日に相談料を請求 振込を依頼する 日程がメールで往復 確定までに時間が漏れる 内容が分からない 準備できず密度が漏れる 振込されない 相談料が漏れる 予約と決済が分かれている限り、日程・準備・相談料の3か所で取りこぼしが続く
図: 予約フォームだけでは、相談料の集金が予約と切り離され、後工程で漏れます。

とくに痛いのが3か所目の未回収です。対面なら相談の最後に現金でいただけますが、オンライン相談ではその場で集金できません。「後で振込をお願いします」と伝えたまま入金されず、催促もしづらい――この状態が積み重なります。

そもそも士業の相談相手は、すでにオンラインで手続きを完結させる層です。所得税の確定申告では、オンライン(e-Tax)による申告の利用率が69.3%に達しています(出典: 国税庁「令和5年度におけるオンライン(e-Tax)手続の利用状況等について」、2025年5月公表、所得税申告のオンライン利用率)。相談者や顧問先の側は、予約も支払いもオンラインで済ませる準備がすでにできています。仕組みが追いついていないのは、多くの場合こちら側です。

相談料は「相手のタイプ」で受け取り方が変わる

解決の起点は、集金を1つの方法に統一しようとしないことです。士業の相談相手を支払いの観点で分けると3種類あり、それぞれ無理なく確実に受け取れるタイミングが違います。

士業の相談相手3種類と、それぞれに向いた相談料の受け取り方 初回の個人客は事前決済、法人やカードを使わない相手は請求書払い、既存客・顧問先は面談後の請求が向いていることを示した図 初回・新規の個人 事前決済(予約と同時にカードで支払い) 無断キャンセルを防ぐ 法人・カードを使わない相手 請求書払い(後払い・未払いは自動でキャンセル) 相談料の未回収を防ぐ 既存客・顧問先 面談後に請求(Stripe または銀行振込) その場の集金をなくす 相手ごとに受け取るタイミングを変えられることが、士業の予約設計の核心
図: 相談相手の3タイプに、それぞれ向いた相談料の受け取り方を割り当てます。
相談相手向いている受け取り方解決する取りこぼし
初回・新規の個人事前決済(予約時にカード決済)無断キャンセル
法人・カードを使わない相手請求書払い(後払い)相談料の未回収
既存客・顧問先面談後に請求(Stripe・銀行振込)その場の集金の手間

初回の個人客に事前決済が効くのは、支払い済みの予約が「仮の予定」でなくなるからです。日本のキャッシュレス決済比率は2024年に42.8%(141.0兆円)となり、政府目標の4割を前倒しで超えています(出典: 経済産業省「2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました」、2025年3月31日公表)。ネットで相談を予約する相手にとって、そのままカードで支払うのはすでに標準的な体験です。

タイプ別・相談予約ページの作り方

3種類の受け取り方は、予約ページ(相談メニュー)ごとに別々に設定するのが基本です。相手は自分に合ったページから予約するだけで、集金は自動的に正しいタイミングで動きます。士業の相談料の相場(スポット相談で30分5,000円〜、1時間1万〜2万円程度)を踏まえると、たとえば次のように組めます(出典: freee「税理士の相談料、相場はいくら?」、2026年7月時点の一般的な相場)。

予約ページ対象受け取り方の設定
初回相談ページ新規の個人30分¥5,000の事前決済。予約と同時にカード決済
スポット相談ページ法人・単発の相手予約時に請求書を発行(後払い)。期限内に未払いなら自動でキャンセル
顧問先ページ既存客・顧問先面談後にまとめて請求(Stripeまたは銀行振込)

この分け方には副次効果もあります。新規の個人には事前決済でハードルとして機能させつつ、信頼関係のある顧問先には「その都度の集金」という手間をかけない。相手との関係性に、集金の仕方を合わせられるわけです。顧問料そのものの月次請求は会計側で行うとしても、スポットの相談や単発の面談は、この予約ページ側で受け取りまで完結できます。

士業だから外せない3条件

支払いの設計と並んで、士業では機密性と事前準備が要件になります。相談内容には秘匿性の高いものが多く、当日その場でヒアリングを始めると、限られた相談枠が短くなります。予約システム側で担保したいのは、次の3点です。

士業の相談予約で外せない3条件 機密性・事前ヒアリング・担当者指名の3条件と、それぞれの具体策を示した図 機密性 予約ページを限定公開にし、 場所は予約確定後に案内する 事前ヒアリング 予約時にフォームで相談内容を 集め、当日は本題から入る 担当者指名 複数名の事務所では相談者が 担当を選べる(指名料も可) この3条件を満たせないツールは、士業の相談には使い切れない
図: 機密性・事前ヒアリング・担当者指名は、士業の相談予約で外せない3条件です。

とくに事前ヒアリングは、準備不足を直接なくします。相談の背景・希望・関連する書類の有無を予約時に把握できれば、当日はいきなり本題に入れて、限られた枠の密度が上がります。フォームの回答は予約情報と一緒に残るため、面談前に見返すのも簡単です。

相談予約システムの選び方

ここまでを踏まえると、士業の相談予約に使うツールは、次の5つで採点すれば判断がぶれません。どのツールを検討する場合も同じ基準で見比べてください。

  • 受け取り方を分けられるか: 事前決済・請求書払い(後払い)・面談後請求を、予約ページごとに設定できるか
  • 相談メニューを作れるか: 初回相談・スポット・顧問など、種別ごとに料金と時間を変えられるか
  • 担当者を指名できるか: 複数名の事務所で、相談者が担当者を選べるか
  • 事前ヒアリングができるか: 予約時にカスタムフォームで相談内容を収集できるか
  • 手数料の構造: 月額に加えて売上から手数料を取られないか(件数が伸びるほどコストが膨らむ)

以下では、この5つのポイントをすべて満たすツールの一例として、SailLab を取り上げます。

SailLab(セイルラボ)

SailLabの管理画面で相談メニューと料金を設定する様子(士業向け予約システム)

SailLab は、日程調整・予約受付と決済を1つにまとめた国産の予約システムです。相談メニューの作成から、種別ごとの料金・時間の設定、3種類の受け取り方、担当者の指名、事前ヒアリングまで、本記事で挙げた5つのポイントを標準機能でカバーしています。

  • 3つの受け取り方: 事前決済(Stripe 連携)、請求書払い(後払い・期限内に未払いなら自動キャンセル)、面談後に請求(Stripe または銀行振込)。予約ページごとに使い分けられます
  • 相談メニュー: 「初回相談30分¥5,000」「スポット相談60分¥15,000」のように、種別ごとに料金と時間を設定できます
  • 担当者指名: 複数名の事務所では、相談者が担当を選べます。指名料の設定にも対応します
  • 事前ヒアリング: カスタム受付フォームで、相談内容や状況を予約時に収集できます
  • 機密性: 予約ページの限定公開、確定後に場所を表示する設定、日本語・英語の両対応
プラン月額(税抜)相談メニュー・決済
Free¥0
Light¥1,000(年払いで月あたり¥800)
Standard¥1,500(年払いで月あたり¥1,200)

相談メニューと決済(事前決済・請求書払い・面談後請求)、担当者指名は Standard プランの機能です。売上からのプラットフォーム手数料は0%で、かかるのは Stripe の標準決済手数料のみです(2026年7月時点。プランの詳細は料金ページを参照)。相談料を確実に受け取りながら、相手ごとに集金の仕方を変えたい士業事務所に向いたツールです。

費用対効果は「相談1件の回収」で決まる

導入判断は、自分の数字で確かめられます。月に20件の有料相談(1件¥15,000)を受けていて、無断キャンセルや未回収でそのうち5%を取りこぼしているとします。

項目金額
月の有料相談(20件 × ¥15,000)¥300,000
取りこぼし5%(=月1件)▲¥15,000/月(年¥180,000)
予約システムの月額¥1,500

月1件の取りこぼしを防ぐだけで、費用の10倍が戻る計算です。事前決済や面談後請求では「防ぐ」以前に売上が確保・回収されるため、実際の効果はこの見積もりより大きくなります。単価と件数をご自身の事務所の数字に置き換えて確認してみてください。

まとめ:まずは「初回相談ページ」から

士業のオンライン相談が仕組みにならないのは、相談相手が3種類いて、相談料を受け取るタイミングがそれぞれ違うからです。事前決済・請求書払い・面談後請求を予約ページごとに分けて設計すれば、相手は自分に合ったページから予約するだけで、集金は自動的に正しく動きます。

すべての相談を一度に切り替える必要はありません。次の順番で進めると、既存客との関係を保ったまま移行できます。

  1. 初回相談ページを事前決済で作る――無断キャンセルの多い新規相談から、相談料を確保します
  2. 事前ヒアリングのフォームを付ける――当日の準備不足をなくし、相談の密度を上げます
  3. 顧問先・法人用のページを面談後請求・請求書払いで用意する――その場の集金の手間をなくします

無断キャンセル対策の詳細は事前決済つき予約システムの解説、複数名の事務所での担当者指名は担当者を指名できる予約システムの解説で扱っています。士業向けの相談予約ページは、無料アカウントから作成できます(クレジットカード登録は不要です)。

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