SelectTypeの決済手数料は、無料プランで5.6%、ベーシックプランで4.9%、プロフェッショナル以上で4.6%です。並びに違和感があれば、それは正しい違和感です。いちばん安いプランが、いちばん高い手数料になっています。
この構造はSelectTypeが料金ページで自分から公開しているもので、隠された条件ではありません。決済手数料はStripeの3.6%にSelectTypeの取り分が上乗せされる2段重ねで、上乗せ分がプランごとに2%→1.3%→1%と下がっていきます。この記事では、4つの料金プラン(2026年8月時点)と手数料の内訳を確認したうえで、月の売上がいくらを超えると月額を払ったほうが安くなるかを計算します。
目次
予約の受け方と料金設計をまとめて見直したい方は、個人・小規模チーム向けのリソース集もあわせてご覧ください。
SelectTypeの料金プラン4つ

SelectTypeの月額は4段階です。フリーは無料、ベーシックが税抜1,500円(税込1,650円)、プロフェッショナルが税抜3,000円(税込3,300円)、プレミアムが税抜10,000円(税込11,000円)です(2026年8月時点)。
| SelectTypeのプラン | 月額(税抜) | 月額(税込) | クレジットカード決済の合計手数料 |
|---|---|---|---|
| フリー | 無料 | 無料 | 5.6% |
| ベーシック | 1,500円 | 1,650円 | 4.9% |
| プロフェッショナル | 3,000円 | 3,300円 | 4.6% |
| プレミアム | 10,000円 | 11,000円 | 4.6% |
この表で先に気づいておきたいのは、プロフェッショナルとプレミアムの手数料が同じ4.6%であることです。プレミアムに上げる理由は機能や規模であって、手数料の削減にはなりません。月額が6,700円上がっても、決済コストは1円も下がらない組み合わせです(出典: SelectType「料金プラン」、2026年8月6日確認、対象はSelectTypeの公開価格)。
決済手数料は2段重ねになっている

SelectTypeで決済を使うと、手数料は2つの会社に分かれて発生します。決済代行のStripeが取る分と、SelectTypeが取る分です。利用者から見れば1回の決済ですが、内訳は2段になっています。
| SelectTypeのプラン | Stripe分(カード) | SelectType分 | 合計 | 銀行振込の合計 |
|---|---|---|---|---|
| フリー | 3.6% | 2% | 5.6% | 3.5% |
| ベーシック | 3.6% | 1.3% | 4.9% | 2.8% |
| プロフェッショナル | 3.6% | 1% | 4.6% | 2.5% |
| プレミアム | 3.6% | 1% | 4.6% | 2.5% |
銀行振込を選ぶとStripe側が1.5%になるため、合計は大きく下がります。コンビニ決済はカードと同率で、Stripeの最低手数料120円がかかります。
この構造が見えにくいのには理由があります。手数料は入金額から差し引かれるので、支払いの場面に出てこないからです。月額はカードで請求されるので毎月目に入りますが、5.6%のほうは入金の内訳を開かないと分かりません。実際、公開されているSelectTypeのレビューを読んでも、手数料に触れているものは見当たりません。費用について書かれているのは「廉価なランニングコスト」――つまり月額のことです(出典: ITreview「SelectTypeのレビュー」、2026年8月6日確認、対象は公開レビュー2件)。2件は母数として小さいので、これは傾向の確認であって証明ではありません。
月の売上いくらから、有料プランのほうが安くなるか
結論を先に書きます。SelectTypeで決済を通す金額が月およそ236,000円を超えると、ベーシック(税込1,650円)のほうがフリーより安くなります。プロフェッショナルがベーシックを下回るのは、月550,000円からです。
| SelectTypeのプラン | 月額(税込) | 実効手数料 | 1つ下のプランと並ぶ月商 |
|---|---|---|---|
| フリー | 0円 | 5.6% | ― |
| ベーシック | 1,650円 | 4.9% | 約236,000円 |
| プロフェッショナル | 3,300円 | 4.6% | 550,000円 |
| プレミアム | 11,000円 | 4.6% | 手数料が同率のため、決済額では回収できない |
実際の金額で並べると、逆転がどこで起きるかがはっきりします。
| 月の決済額 | フリー(5.6%) | ベーシック(1,650円+4.9%) | プロフェッショナル(3,300円+4.6%) |
|---|---|---|---|
| 100,000円 | 5,600円 | 6,550円 | 7,900円 |
| 300,000円 | 16,800円 | 16,350円 | 17,100円 |
| 500,000円 | 28,000円 | 26,150円 | 26,300円 |
| 1,000,000円 | 56,000円 | 50,650円 | 49,300円 |
計算式は、月額 ÷(下のプランとの手数料の差)です。フリーとベーシックの差は0.7%なので、1,650円 ÷ 0.007 = 約236,000円。この差が小さいほど、分岐点は遠くなります。ベーシックとプロフェッショナルの差はわずか0.3%しかないため、分岐点が550,000円まで伸びます。
ここまでの数字がそのまま当てはまるのは、決済をSelectType経由で通している場合だけです。現金や店頭でのやり取りが中心で、オンライン決済が月に数件なら、フリープランのままが最も安く済みます。
無料プランで見落としやすい3つの制限

手数料とは別に、SelectTypeのフリープランには運用に効く制限が3つあります。広告が表示されること、予約を受け付けられるのが7日後までであること、予約管理の担当者が1名までであることです。
- 予約受付期間が7日後まで。これがいちばん重いことがあります。翌月の予定を先に埋めたい教室や、2週間先の面談を受けたい場合、フリープランでは受け付けそのものができません。
- 予約管理担当者が1名まで。サブ管理者も1名までです。受付を2人で見る運用にした時点で有料プランが必要になります。
- 広告表示あり。予約フォームに広告が出ます。自社サイトからの導線として使う場合、見え方に影響します。
ファイル提出機能とLINE連携は30日間のお試しのみで、その後は有料プランが必要です。手数料の分岐点に届いていなくても、この3つのどれかに当たった時点で有料プランに上げる理由が生まれます。順番としては、まずこの制限を確認して、その次に手数料の計算をするほうが早く結論が出ます。
SelectTypeを選んだほうがいい場合

手数料の話をしてきましたが、手数料だけで決めるべきではない場合がはっきりあります。SelectTypeにあって、この記事の後半で紹介するSailLabにない機能が4つあり、どれか1つでも必要なら、そちらを使い続けるほうが合理的です。
- 自社サイトへの埋め込み(SailLabの予約ページは独立したページのみで、ウィジェットの埋め込みには対応していません)
- LINE連携(SailLabの通知はメールのみです)
- 回数券・チケットの管理
- 月謝の自動徴収(SailLabの決済は都度の全額支払いのみで、継続課金や分割には対応していません)
実際、SelectTypeの機能の幅はレビューでも評価されています。「通常の予約フォームから単発のイベント系の予約まで、事前決済にも対応し、イベント参加時の受付対応や自動返信メールにおけるQRコードURL配信までかゆいところに手が届いています」という声がある一方で、「UIがわかりにくく、どこに何があるのか、一回解決しても次回再度同じ問題にぶつかった際に該当メニューにたどり着くのに苦労します」という指摘も同じ利用者から出ています。機能の多さと分かりやすさが両立していない、という評価です。
手数料の構造が違う選択肢
上の4つが必要ないなら、比べる軸は手数料の構造に絞れます。見るべき点は3つです。月額と手数料の合計が自分の決済額でいくらになるか、無料プランで予約を何日先まで受けられるか、決済を使わない選択肢が用意されているかです。
以下では、この3つの見方が当てはまるツールの一例として、SailLab を取り上げます。
SailLab(セイルラボ)

SailLab は、予約ページ・カレンダー連携・事前決済を1つにまとめた国産の予約システムです。決済はホスト自身のStripeアカウントに直接入金される形をとっています。
- 決済はStandardプラン(月額1,500円・税抜)から使えます。手数料はStripeの約3.6%に、SailLabの3%が加わります。
- Professionalプラン(月額2,800円・税抜)ではSailLabの取り分が0%になり、Stripeの約3.6%のみになります。機能はStandardと同じで、違いは手数料だけです。
- 無料プランに予約を受け付けられる期間の上限はありません。何か月先の予約でも受けられます。無料で作れる予約ページは1件です。
- Standard以上では、Stripeを通さず銀行振込で後から請求する方法も選べます。この場合は決済手数料がかかりません(入金確認と消込は手作業になります)。
使い分けの例としては、単発のレッスンや相談を1種類だけ受けるなら無料プランで完結します。事前決済を使い、かつ決済額が大きい場合は、手数料が0%になるProfessionalが対象になります。
実際の金額で並べると、次のようになります(2026年8月時点、すべて税込・月払いで計算)。
| 月の決済額 | SelectType フリー | SelectType ベーシック | SailLab Standard | SailLab Professional |
|---|---|---|---|---|
| 100,000円 | 5,600円 | 6,550円 | 8,250円 | 6,680円 |
| 300,000円 | 16,800円 | 16,350円 | 21,450円 | 13,880円 |
| 500,000円 | 28,000円 | 26,150円 | 34,650円 | 21,080円 |
この表は、こちらに都合よくは並んでいません。SailLabのStandardは、どの金額でもいちばん高くなります。月額はSelectTypeのベーシックと同じ税込1,650円ですが、合計手数料が約6.6%と高いためです。Standardを選ぶ理由は決済コストではなく、ラウンドロビンやサービス予約といった予約側の機能にあります。
逆に、決済額が月110,000円を超えると、SailLabのProfessionalがSelectTypeのベーシックより安くなります。フリープランを下回るのは154,000円からです。「手数料0%」と書ける範囲はProfessionalプランに限られ、それでもStripeの約3.6%は別途かかります。プランごとの詳細は料金ページをご確認ください。
自分の数字で確かめる手順

ここまでの計算を自分の数字に置き換える手順は、3つです。
- 先に制限を確認します。 予約を7日より先まで受けたいか、受付を2人以上で見るか。どちらかに当たるなら、手数料の計算より先に有料プランが必要だと決まります。
- オンライン決済を通す月額を出します。 売上全体ではなく、予約システム経由でカード決済される分だけです。現金や振込で受けている分は、この計算に入りません。
- 月額 ÷ 手数料の差 で分岐点を出します。 フリーとベーシックなら 1,650円 ÷ 0.007 = 約236,000円。この金額を自分の決済額が超えているかどうかだけを見ます。
予約フォームの作り方そのものは予約フォームの作り方で、事前決済を入れて無断キャンセルを減らす設計は事前決済つき予約システムで扱っています。教室やスクールでの受け方は教育・スクール向けの活用例もご覧ください。
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森本 健 / SailLab 編集部
SailLab 編集部で、Googleカレンダー・Googleフォーム・Excel・Teams など、手元のツールで予約や日程調整を回す方法とその限界について書いています。