会議の日程調整と会議室の確保に使われている時間は、1日あたり平均26.5分。調整で苦労している点として最も多く挙がったのは「参加者の空いている日程を見つけること」で、72.0%でした(出典は後述します)。1件ずつは短くても、社内外の会議が重なる週には、これが半日分に積み上がります。
候補日を増やしても、この72.0%は減りません。「複数人の日程調整」と呼ばれているものが、実は性質の違う3つの問題だからです。この記事では、自分がどの型にいるかを1つの質問で見分けたうえで、型ごとの進め方と、相手に1回だけ答えてもらえば決まるメールの形を扱います。
目次
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「複数人」と呼んでいるものが3種類あります

難しさを決めているのは人数ではありません。参加者が何社に分かれているかです。5人でも全員が自社なら数分で決まりますし、3人でも3社に分かれていれば往復が始まります。
調整の負担そのものは、調査でも確認できます。会議の実施と調整に費やす時間は1日の勤務時間の約3割にあたり、そのうち日程調整・会議室検索・予約が1日平均26.5分。困りごとの1位は「参加者の空いている日程を見つけることに苦労する」で72.0%でした(出典: Acall株式会社「『会議』に関する調査」、2024年7月10日公表、調査期間2024年6月18〜20日、インターネット調査、n=600。会議室の予約にかかる時間を含む数字です)。
ここで注目したいのは、1位が「調整の連絡が面倒」ではなく「空いている日程を見つけられない」だったことです。連絡の手間ではなく、情報が手元にないことが問題になっています。そして、その情報が手に入るかどうかは、型によって最初から決まっています。
見分ける質問は1つだけです
自分がどの型にいるかは、「参加者のうち、自社以外は何社ですか」で判定できます。0社なら型A、1社でも型A、2社以上になった瞬間に型Bです。相手が1人でもその調整を何十件も抱えているなら型Cになります。
| 型 | 参加者の構成 | 効く仕組み | 決まるまでの往復 |
|---|---|---|---|
| 型A | 自社が複数+社外は1者まで | 自社側の空きを自動照合し、空いた枠だけを相手に見せる | 1往復 |
| 型B | 社外が2者以上 | 候補日への回答を集める(投票型)/1者ずつ順に確定させる | 2往復以上になりやすい |
| 型C | 相手は1人だが件数が多い | 担当者への自動割り当て | 1往復(件数分くり返す) |
この表の意味するところは、はっきりしています。自動照合が効くのは、自社の予定表が読める範囲までです。社外の参加者が2者以上になると、そもそも突き合わせる材料が手に入らないので、道具を替えても解決しません。そこから先は情報の問題ではなく、相手に何回答えてもらうかを設計する問題に変わります。
型A:社内が複数、社外は1者

もっとも自動化しやすいのがこの型です。営業3名と先方1社、面接官2名と候補者1名、といった構成が当てはまります。自社側の全員が空いている時間だけを計算して、その枠を相手に見せれば、往復は1回で終わります。
この型でツールに任せるかどうかを判断するときは、次の4点を見ます。
- 全員の空きを見て枠を出せるか:1人分の空きしか見ない仕組みでは、他の参加者と重なった枠を提示してしまいます
- カレンダーと双方向で同期するか:ツールの外で入った予定が塞がらないと、提示した枠が二重に埋まります
- 相手に登録を求めないか:社外の相手にアカウント作成を求める仕組みは、その時点で往復が増えます
- 会議URLが自動で付くか:確定後にURLを作って送り直す作業は、往復1回分と同じ重さです
以下では、この4点を満たすツールの一例として、SailLab を取り上げます。
SailLab(セイルラボ)

SailLab は、複数の担当者の予定を突き合わせて、空いている時間だけを1本のリンクで公開できる国産の日程調整ツールです。
- 参加者全員が空いている枠だけを表示します:複数ホストを指定すると、全員の予定を突き合わせた結果だけが相手に見えます(Light プラン以上)
- Google と Outlook の双方向同期:SailLab の外で入れた予定の時間は、自動的に予約不可になります
- 相手の登録は不要です:リンクを開いて枠を選ぶだけで確定します
- Web会議のURLが自動で発行されます:Google Meet、Zoom、Microsoft Teams に対応しています
- 確定と同時に全員の予定に入ります:確認メールが双方に届き、相手側で変更・キャンセルもできます
| プラン | 月額(年契約・税抜) | この記事に関係する範囲 |
|---|---|---|
| Free | ¥0 | 日程調整リンク1件、Google / Outlook 連携、Web会議URLの自動発行 |
| Light | ¥800 | リンク無制限、複数ホストでの調整(全員が空いている枠のみ表示)、チーム管理 |
| Standard | ¥1,200 | 担当者への自動割り当て、予約データの分析 |
型Aを1本のリンクで回すだけなら、複数ホストが必要になる Light プランからです(2026年8月時点)。料金の詳細は料金プランを、商談での使い方は営業チームの活用例をご覧ください。
なお、候補日を並べて全員に○×をつけてもらう投票型の日程調整には対応していません。型Bが主戦場であれば、次の節で触れる方法のほうが向いています。
型B:社外が2者以上

この型では、相手の空き状況はどうやっても手元に来ません。Googleカレンダーで他の人に予定を見せる場合でも、共有の設定をした相手に対して、公開できるのは最大で「予定の有無のみ(詳細を非表示)」です(出典: Google カレンダー ヘルプ「カレンダーを共有する」、2026年8月時点。Google Workspace では管理者が共有の範囲を制限している場合もあります)。共有していない社外の相手であれば、見えるものはありません。
つまり型Bは、突き合わせの問題ではなく合意形成の問題です。取れる手は2つしかありません。
- 回答を集める(投票型):候補日を並べ、全員に可否を記入してもらいます。人数が多いほど有効ですが、回答が揃うまで確定できません
- 順に確定させる:もっとも予定を動かしにくい1者を先に押さえ、その枠を軸に残りへ提示します。往復は増えませんが、後の参加者に選択肢は残りません
実務では後者のほうが速く決まります。役員や取引先の代表など、動かせない予定を持つ人を先に確定させるのが原則です。全員に平等に候補を出すやり方は、公平ですが収束しません。6名が6社に分かれていれば、3つの候補日が全員に合う確率は低く、出し直すたびに全員の予定も動いています。
投票型が必要な場面もあります。Microsoft 365 を使っている環境であれば Outlook のスケジュール投票が標準で使えます。環境ごとの選び方はTeamsで日程調整する3つの方法にまとめました。相手が社外で同じ環境を使っていない場合は、登録不要の日程調整のように、受け取った側がアカウントを作らずに答えられるものを選んでください。回答する側に登録を求めた時点で、返信率は落ちます。
型C:1対1が大量にある

相手はいつも1人なのに、それが週に20件ある——採用の面談、定期の1on1、問い合わせ後の初回商談がこの型です。1件あたりの難しさは低く、件数が難しさを作っています。
ここで効くのは自動照合ではなく、割り当てです。担当できる人を複数登録しておき、申し込みが入った順に空いている担当者へ振り分けます。担当を決めてから日程を調整するのではなく、日程が決まると同時に担当が決まるので、社内の確認が1段なくなります。
この型では、日程の連絡そのものを減らせるかどうかが分かれ目になります。面接や面談の連絡文をどう整えるかは面接・面談の日程調整メール例文で扱っています。
どの型でも、先に自社側を閉じます

型が分かったら、どの型でも共通してやることが1つあります。相手に何かを聞く前に、自社側の空きを確定させておくことです。順番を逆にすると、相手の回答が届いた時点で自社の枠が埋まっていた、という往復がもう1回発生します。
参加者が同じ場所にいた頃は、席まで行って口頭で押さえられました。いまはその前提が薄れています。テレワークを導入している企業の割合は47.3%です(出典: 総務省「令和6年通信利用動向調査の結果」、令和7年5月30日公表、対象は常用雇用者100人以上の企業)。半数近くの会社で、隣の席にいるとは限らない相手と日程を決めていることになります。
自社側を閉じる方法は型によって変わります。型Aなら全員の空きを照合したリンクを作る。型Bなら候補の時間帯を仮の予定として自分のカレンダーに入れておく。型Cなら担当者の受付可能時間をあらかじめ登録しておく。いずれも、相手にメールを出す前に終わっている状態が目標です。
相手が1回で答え切れるメールの形

往復が増える原因は、文面の丁寧さではありません。相手が1回の返信で決め切れない情報の出し方です。次の4つが揃っていれば、返信は1回で済みます。
- 候補は3つまで、幅を持たせる:「5日14:00-17:00のいずれか」のように時間帯で出すと、相手の中で調整できる余地が残ります
- いつまでに、を書く:期限がないと後回しになります。「今週金曜までにご都合をお知らせください」の1行で回収率が変わります
- 合わなかったときの次の手を先に書く:「いずれもご都合が合わない場合は、ご都合のよい日時を2つほどお知らせください」。これがないと、合わなかった連絡だけで1往復します
- 所要時間と目的、参加者を明記する:30分か60分かで、相手が探す枠は変わります
型Bで複数社に同時に出すときは、3つ目が特に効きます。全員に断られた場合の受け皿が文中にあるだけで、出し直しの1往復が消えるからです。文面そのものの例は日程調整メールの例文にまとめています。
次の1件で変えること

いま抱えている調整を全部作り直す必要はありません。次に発生する1件で、順番だけを変えてみてください。
- その日のうちに:参加者のうち自社以外が何社かを数え、型を決めます
- メールを書く前に:自社側の空きを確定させます。型Aならリンクを1本作り、型Bなら候補の時間帯を自分のカレンダーに仮で入れます
- 最初の連絡で:候補・期限・合わなかったときの次の手を、1通に入れます
この3手で、2往復が1往復になります。26.5分のうち削れるのは、探していた時間の側です。
Microsoft 365 の環境で調整している場合はTeamsで日程調整する3つの方法を、Googleカレンダーから空き枠を公開したい場合はGoogleカレンダー予約の作り方をあわせてご覧ください。
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中村 遼 / SailLab 編集部
SailLab 編集部で、営業・採用の日程調整、面接や説明会の受付、社外とのスケジュール調整まわりの記事を担当しています。