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調整さんの作り方は登録なしで済む。詰まるのはその次の4つ

10分で読める 岡田 沙織 / SailLab 編集部
調整さんの作り方は登録なしで済む。詰まるのはその次の4つ

「7日分、つまり70回の選択肢を作成するのが非常に手間でして」「調整さんを使って90人ほどの出欠を確認しています。しかし誰から返事がないか把握するのが大変です」——どちらも、Yahoo!知恵袋に実際に投稿された質問です。前者は2025年7月、後者は2019年4月のもので、6年離れていても困っている場所はほとんど同じでした。この記事は、これから調整さんで出欠表を作る人と、作ってはみたものの手が止まっている人に向けたものです。

先に結論の一部を書くと、出欠表を作る作業自体でつまずく人はほとんどいません。手順は数分で終わります。質問が集まるのは決まって作ったあとで、しかもその内容は候補日の数・未回答者・回答の見え方の3か所に固まっています。そしてこの3つは別々の不便ではなく、出欠表の中に「人」が存在せず、回答が誰のものでもない文字列として置かれているという、同じ一つの作りから出ています。手順を先に確認し、そのうえで4つの詰まりどころと、それぞれをどう扱うかを見ていきます。

個人・小規模チームの日程調整と予約運用は、個人・小規模チーム向けリソース集にまとめています。

この記事の結論

調整さんの出欠表は、サイトを開いてイベント名と候補日を入れ、「出欠表をつくる」を押してURLを配れば作れます。会員登録は要りません。詰まるのはたいてい作ったあとで、候補日は1つずつ足すことになり、回答は全員に見え、まだ答えていない人は数えられません。これは設定を探しても見つからない類の話で、出欠表に個人が存在しないという作りから来ています。幹事の会なら気になりませんが、名簿のある集まりでは別の作り方が要ります。

調整さんの出欠表をつくる手順

調整さんの作り方を確認する前の、メモ帳と鉛筆

主催する側の手順は5つです。調整さんのサイトを開き、イベント名を入れ、任意でメモを書き、候補の日付を選び、「出欠表をつくる」を押します。表示されたURLをメールやチャットに貼れば、そこで作業は終わります。会員登録もログインも要りません(出典: 調整さん「調整さんの使い方・作り方完全版」、2026年8月時点の記載、対象は調整さんの公式サイト)。

メモ欄は空欄のままでも作れますが、回答期限をここに書いておくと催促の手間が変わります。後述するとおり、調整さんには未回答者への通知がありません。締切だけでも書いてあれば、読んだ人が自分で判断できます。

作成後にイベント名や候補日を直すこともできます。出欠表のURLを開き、「イベント編集」から候補日の削除や並び替えを行います。回答が集まると、○が最も多い日が自動でハイライトされます。

回答する側がすること

調整さんの使い方で回答者がつける○△×の印

受け取った側は、URLを開いて「出欠を入力する」を押し、名前を入れ、候補ごとに○・△・×を選び、必要ならコメントを添えて送信します。こちらもアカウントは不要で、アプリを入れる必要もありません。

間違えても、同じURLを開けば自分の回答を直せます。ただし直せるのは「その名前で入力した行」であって、本人であることを確認しているわけではありません。この点は後半でもう一度出てきます。

△の扱いは主催者が決めることになります。「行けなくはないが第一希望ではない」を残したいなら有効ですが、はっきり決めたい場面では判断を鈍らせます。関連する検索語に「調整さん △ いらない」が並ぶのは、この迷いがそれなりに共有されているためです。

候補日が多いと、手間が急に増える

候補日を並べたカレンダー。調整さんの作り方で最初に手間になる部分

冒頭の質問をもう一度置きます。「1日(10時〜22時)で60分が10回あるため、7日分、つまり70回の選択肢を作成するのが非常に手間でして」。日付を5つ並べるだけなら数十秒ですが、時間帯まで刻むと候補の数は掛け算で増えます。

7日 × 1日あたり10枠 = 70枠。1枠を入力して確認するのに10秒かかるとして、それだけで12分近くかかります。増えるのは日数ではなく、日数と時間帯の積です。面接の候補提示や、講師の空き枠提示のように、時間単位で聞きたい場面ほど早く効いてきます。

回避のしかたは2つです。1つは、候補を粗くすること。午前・午後の2択にすれば7日分で14枠に収まります。もう1つは、期間と時間帯と曜日を指定すると候補がまとめて作られる仕組みを使うことです。後者は調整さんの機能ではないため、道具を替える話になります。

「誰がまだ答えていないか」がわからない

手書きの名簿。調整さんの使い方で未回答者を数えるときの作業

出欠表に並ぶのは、回答した人の行だけです。答えていない人の行は存在しません。つまり未回答者を出すには、手元の名簿と画面を突き合わせて引き算することになります。90人規模でこれをやると相当な作業になる、というのが2019年の質問でした。

2026年3月には、別の角度から同じ要望が出ています。「約40名の名前をあらかじめ入力するのが手間です。(高齢者が多いので名前だけ先に…)」。先に名前を並べておければ、未回答は空欄として目に見えます。この2つは同じことを裏表から言っています。

いまの調整さんでできる範囲の対処は、メモ欄に締切を書くこと、そして名前の書き方をこちらから指定することです。「氏名はフルネームで」と一行入れておくだけで、同姓や表記ゆれで突き合わせが崩れる事故は減ります。

回答が全員に見えることを、どう考えるか

ガラス張りの会議室。調整さんの出欠表は回答が全員に見える

出欠表は、URLを開いた全員が全員の回答を読める作りです。これは仕様であって不具合ではありませんが、場面によっては困ります。「職場の飲み会で使う日程調整ツールについての質問です。『調整さん』だと、参加者全員に他の人の予定が見えてしまいますよね」——2026年5月の質問です。同じ趣旨の質問は2018年と2022年にも出ています。

見えることの副作用は2つあります。1つは、先に答えた人に合わせる力が働くこと。もう1つは、他人の予定という個人情報が、意図せず共有されることです。人事の勉強会で「誰が参加するかを見てから出欠を決める人がいる」と書いていた質問者もいました。

そしてURLを知っていれば誰でも開けます。2015年には「予定調整ツール『調整さん』に全く知らない人の名前が…」という質問も投稿されています。URLの共有範囲が、そのまま閲覧できる範囲になります。転送されうる場に貼るなら、それを前提に候補日を書くことになります。

起きていること原因いま効く対策
先に答えた人に回答が引きずられる全員の回答が読める候補を絞って迷う余地を減らす
他人の予定まで共有されてしまう同上私的な予定を書かせない・コメント欄の使い方を指定する
知らない名前が増えているURLを持つ全員が編集できる転送されにくい場所にだけ貼る

4つの困りごとは、同じ1つの作りから出ている

調整さんの4つの困りごとと、共通する原因 候補日の量、未回答者、回答の公開、なりすましの4つが、いずれも出欠表に個人が存在しないことから生じることを示した図 候補日を1つずつ足すことになる 候補は「日付の集まり」でしかなく、期間から組み立てる考え方がない 7日×10枠=70回 未回答者を数えられない 回答した人の行しか存在しないので、答えていない人は表に現れない 名簿と突き合わせ 回答を隠せない 誰の行かが決まっていないため、「自分の行だけ見せる」を定義できない 全員に公開 名前を名乗れば誰でも入れる 名前は毎回手で書かれる文字列で、本人であることの確認がない URLを知る全員 4つとも「出欠表に個人が存在しない」ことの言い換えで、設定では変えられない
4つの困りごとは、それぞれ別の機能不足ではなく、同じ作りの別々の面として現れる。

ここまでの4つを並べると、共通しているものが見えます。調整さんの出欠表では、名前は回答のたびに手で書かれる文字列です。行は誰のものでもありません。誰のものでもない行は、隠すことも、まだ無いことを数えることも、あらかじめ用意しておくこともできません

これは欠陥ではなく、割り切りです。回答する側にアカウントを求めないという設計を選べば、その代わりに個人を識別する手段を持たないことになります。登録が要らないという最大の長所と、上の4つは同じ根から出ています。

会員登録すると変わるのは、この根の部分ではなく主催者側の持ち物です。公式の説明では、イベント履歴の確認、ブラウザのデータを消したあとの編集、端末を変えたあとの編集ができるようになります(出典: 調整さん「調整さんの使い方・作り方完全版」、2026年8月時点の記載、対象は調整さんの公式サイト)。

会員登録なし会員登録あり
出欠表をつくるできるできる
過去のイベントを一覧で見るできないできる
ブラウザのデータを消したあとに編集するできないできる
回答を隠す/未回答者を出すできないできない

4行目が要点です。登録しても、回答の見え方と未回答者の把握は変わりません。

名簿のある集まりで日程を決めるなら

積み上がった書類。名簿のある集まりの日程調整

ここまでを踏まえると、道具を選ぶ基準は好みではなくその集まりに名簿があるかどうかに落ちます。名簿がなければ、誰のものでもない行で困ることはありません。飲み会やサークルはこちらです。名簿がある集まり——委員会、保護者会、面接、社外との打ち合わせ——では、上の4つがそのまま作業として返ってきます。

名簿のある集まりで見るべき点は4つです。候補日を期間からまとめて作れること。招く相手を先に登録できること。まだ答えていない人がわかること。回答の公開範囲を選べること。以下では、この4つを満たすツールの一例として、SailLab を取り上げます。

SailLab(セイルラボ)

候補日を期間・時間帯・曜日で指定してまとめて作る画面

SailLab は、候補日を集める投票と、日時を確定したあとの予約受付を1つにまとめた国産のツールです。日程調整の部分は無料の範囲で使えます。

  • 候補日は期間で指定します。日付の範囲・時間帯・曜日を選ぶと候補がまとめて作られ、最大120枠まで出せます。冒頭の「70回」はこの形なら数十秒です。
  • メールで招くと、相手の行が先にできます。一人ずつに個別のリンクが届き、名前は入力済みです。名簿を先に流し込む形になります。
  • まだ答えていない人が一覧でわかります。招いた相手は回答前から行として存在するためです。
  • 他の人の回答を隠せます。回答者には自分の行だけを見せ、主催者は全体を見ます。
  • 回答する側に登録は要りません。リンクを開いて○・△・×をつけるだけで、あとから自分で直せます。

アカウントを作らずに試すこともできます。登録不要の日程調整ツールなら、その場で候補日を作ってリンクを配れます。ただしこの形では、メールでの招待・回答の非公開・日程の確定はできません。いずれも個人を識別できるアカウントがあって初めて成り立つためです。回答は5人までで、作った出欠表は1年間残ります。あとから「アカウントに移す」を選べば、URLと集まった回答をそのままに、上の4つが使えるようになります。

プラン月額(税抜)1つの日程調整に回答できる人数
アカウントなし0円5人
Free0円10人
Light1,000円(年契約は800円)上限なし
Standard1,500円(年契約は1,200円)上限なし

金額は2026年8月時点のものです。最新の内容は料金ページで確認できます。名簿のある集まりを繰り返し運営する人に向いたツールです。

まとめ:名簿があるかどうかで決める

調整さんの出欠表は数分で作れて、回答する側にも何も求めません。その手軽さと、この記事で見た4つの詰まりどころは、同じ作りの表と裏です。

集まり名簿調整さんの出欠表で足りるか
飲み会・サークル・同窓会ない足りる。登録不要が効く場面
保護者会・委員会ある未回答者の把握が手作業になる
面接・面談ある回答が他の応募者に見えるため不可
社外との打ち合わせある候補を時間単位で出すと作成が重い

順番に進めるなら、次の3つです。

  1. 今回の集まりに名簿があるかを決める。なければ調整さんで作って配る。
  2. 名簿があるなら、候補日を時間単位で出す必要があるかを見る。必要なら、期間から候補を作れる道具に替える。
  3. 回答を他の人に見せてよいかを決める。見せられないなら、出欠表以外の方法を選ぶ。

調整さん以外の無料ツールを比べたい場合は調整さんに似た無料ツールと、それでは足りなくなる日を、LINEで完結させたい場合は調整さんをLINEで使う前に、LINEの日程調整を見てほしいを参照してください。

名簿のある集まりを繰り返し運営しているなら、SailLab の無料アカウントから試せます(クレジットカード登録は不要です)。

岡田 沙織 / SailLab 編集部

SailLab 編集部で、ひとりで事業を営む方や小さなチームに向けて、予約と日程調整のしくみづくりについて書いています。

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