「ストアカ送客の手数料30%は痛い。5,000円の講座で1,500円持っていかれる計算なので、自己集客の仕組みを早めに作らないとスケールしない」——ストアカで講師を3か月続けた人が、自分の収支を公開しながら書いていた一文です。
この結論——自己集客に切り替える——にたどり着く講師は多く、ストアカもそれを認めていて、自己集客なら手数料は10%に下がります。ただ、そこで話は終わりません。10%まで下げたということは、生徒を自分で集められるようになったということです。では、その10%で何を買い続けているのでしょうか。
この記事では、単発・都度払いでレッスンを提供している個人講師を対象に、公開されている料率を実額に直し、10%の内訳を分解し、自分の予約ページを持つ場合との分岐点まで確認します。結論を先に書くと、コマ数が少ないうちはストアカに載せ続けるほうが安く、分岐点は思ったより手前にあります。
個人・小規模チームの予約運用全般は、個人・小規模チーム向けリソース集にまとめています。
目次
手数料は「率」ではなく「1回の振込額」で効いてくる

まず、公開されている料率を確認します。ストアカは登録費・掲載費・月額費がすべて0円で、かかるのは売れたときの手数料だけです。料率は集客の経路と、その生徒が何回目かで変わります(出典: ストアカ「料金・手数料」、2026年9月時点、対象はストアカのみ)。
| ケース | 手数料 |
|---|---|
| 初回・ストアカ送客(オンライン) | 30% |
| 初回・ストアカ送客(対面) | 20% |
| 初回・自己集客 | 10% |
| 2回目以降(リピート) | 一律10% |
見落とされやすいのは最後の行です。同じ生徒に2回目以降を提供した場合、経路にかかわらず10%になります。つまり、続けて来てくれる生徒が中心の講師は、すでに10%の世界で運営しています。30%が効くのは「新しい生徒がストアカ経由で初めて来たとき」だけです。
もう一点、手数料には別途消費税がかかります。1,000円の講座を自己集客で1件売った場合、手数料100円に消費税10円が加わり、振り込まれるのは890円です。率で考えているとこの10%分がずれます。
そして売上を受け取るときに、もう1つ手数料がかかる場合があります。振込依頼の金額が2万円未満だと、別途振込手数料250円です(出典: ストアカ「売上を先生が受け取るまでの流れ」、2026年9月時点)。2万円以上をまとめて申請すればかかりません。つまりこの250円は、売上が小さい月にだけ効く手数料です。月1万5千円なら実質1.7%が上乗せされる計算になります。
受け取れるタイミングも合わせて押さえておきます。売上が確定するのは講座開催から7日経過後(エスクロー期間)で、振込依頼の締日は毎月3回(10日・20日・月末)、締日の翌営業日から2営業日以内に振り込まれます。その日に受け取れるお金ではありません。
比較のために、同じ個人講師が使うMOSHの料率も並べます。MOSHはプランではなく決済手段ごとに手数料が決まり、カード決済で6.5% + 99円/件、銀行振込で3.0% + 99円、当日現地払いは無料です(出典: MOSH「手数料について」、2026年1月15日改定、2026年9月時点)。MOSHとの比較そのものはMOSHの手数料の記事で扱っています。
率だけを並べると、6.5%は20%よりはるかに安く見えます。ただしこの「+99円」という固定額は、受講料が小さいほど重くのしかかります。1件あたりいくら引かれるかに直すと、同じ料率でも実効率はまったく違う数字になります。
| 受講料(1回) | 6.5%分 | 固定額 | 合計 | 実効率 |
|---|---|---|---|---|
| ¥1,000(体験) | ¥65 | ¥99 | ¥164 | 16.4% |
| ¥3,000 | ¥195 | ¥99 | ¥294 | 9.8% |
| ¥5,000 | ¥325 | ¥99 | ¥424 | 8.5% |
| ¥8,000 | ¥520 | ¥99 | ¥619 | 7.7% |
低価格の体験レッスンほど、手数料の実効率は上がります。集客のために体験価格を下げるほど、1件あたりの取り分は想定より細くなる、という関係です。手数料を比べるときは、率ではなく「自分の主力メニュー1回で、いくら引かれるか」に直してから並べてください。
直接契約に移すと、プラットフォームの仕事が自分に戻る

手数料が下がるなら直接契約に移せばよい、という話にはなりません。実際に直接契約を検討した講師は、必要になる準備をこう書いています。
「自分の空き時間を学習者さんに予約してもらうためのカレンダーアプリや予約画面の設定も必要です。」
さらに、レッスン後の事務についても記録があります。
「このような請求・入金確認作業は、数が少なくても正確に行うためにそれなりの手間がかかります」
注目したいのは「数が少なくても」という部分です。件数が少ないうちは自動化しなくても回る、という直感とは逆で、件数が少なくても、正確さを保つ限り手間は一定量かかります。プラットフォームが引いていた手数料は、消えるのではなく作業に形を変えます。
| これまで担っていたもの | 直接契約後の担当 | 放置すると起きること |
|---|---|---|
| 新規受講生の集客 | 自分 | 継続受講生が減った分を補充できない |
| 空き枠の提示と日程確定 | 自分 | メッセージの往復が増え、二重予約が起きる |
| 受講料の回収と入金確認 | 自分 | 未入金に気づかないまま実施してしまう |
| トラブル時の仲介 | 誰もいない | 当事者同士で解決するしかない |
損益分岐は「月何コマ」で決まる

実際に計算します。受講料¥5,000、月8コマ、これまでストアカ経由(集客あり・20%)で受けていた場合を例にします。
- プラットフォーム経由:¥5,000 × 20% = ¥1,000/件 → 月¥8,000
- 直接契約:かかるのは決済代行の手数料のみ。Stripeの標準料率を約3.6%とすると¥180/件 → 月¥1,440
- 差額:月およそ¥6,560、年間で約¥78,700
年間8万円弱は、個人で活動する講師にとって小さくない額です。ただしここに、直接契約で戻ってきた事務作業の時間を入れる必要があります。日程調整のメッセージ往復、請求、入金確認を手作業で行うと、1件あたり10〜15分は消えます。月8件なら1時間20分〜2時間です。
この時間を自分のレッスン単価(¥5,000/時と仮定)で評価すると、月¥6,600〜¥10,000。手作業のままでは、浮いた手数料はほぼそのまま事務時間に置き換わります。直接契約が得になるかどうかは、手数料の差ではなく、その事務を自動化できるかどうかで決まります。
逆に言えば、予約の確定と受講料の回収が自動で終わるなら、差額の大半はそのまま手元に残ります。判断すべきは「直接契約にするか」ではなく「直接契約を自動で回せるか」です。
10%になったとき、何を払っているのか

自己集客もリピートも10%です。つまり、SNSやブログで自分の受講生を集められるようになった時点で、 料率を下げる作業はほぼ終わっています。ここから先の問いは「30%は高いか」ではなく、 「10%で何を買っているのか」に変わります。
買っているものは、はっきりしています。予約ページ、日程の管理、受講料の回収、 そして実名で掲載されることの信用です。ストアカを選び続けている講師は、ここを正しく評価しています。
「ストアカの自己集客10%を受けられる方が、より手数料を抑えられるため、ストアカを選択しています。」
買えていないものも、同じくらいはっきりしています。受講生の連絡先です。 ある講師向けの解説記事は、こう書いています。「ストアカで受講してくれた生徒の連絡先は、 原則として講師のものにはなりません」。そして外に出す動きは規約で止められていて、 「生徒にLINE登録を促したり、自分のメルマガに誘導したりする行為は、プラットフォーム外への送客と見なされ、 アカウント停止のリスクがあります」とも書かれています。
10%は1回ごとに払い続ける費用で、しかも名簿は手元に残りません。 自分で集めた生徒を、自分の予約ページではなくストアカの予約ページに通している間は、 その1回ごとに10%を払い続けることになります。
ここを数字にします。受講料5,000円、すべて自己集客またはリピート(10%)として、 ストアカに払い続ける場合と、自分の予約ページを持つ場合の月額を並べます。 自分の予約ページ側はSailLabのStandardプラン(月額1,500円・税抜)に、 SailLabの決済手数料3%とStripeの決済手数料3.6%を加えた数字です。
| 月のコマ数 | 受講料の合計 | ストアカでの手取り | 自分の予約ページでの手取り |
|---|---|---|---|
| 3コマ | ¥15,000 | ¥13,350 | ¥12,510 |
| 5コマ | ¥25,000 | ¥22,250 | ¥21,850 |
| 7コマ | ¥35,000 | ¥31,150 | ¥31,190 |
| 10コマ | ¥50,000 | ¥44,500 | ¥45,200 |
| 20コマ | ¥100,000 | ¥89,000 | ¥91,900 |
※ 3コマの行は手取りが2万円未満なので、ストアカ側にはさらに振込手数料250円がかかります。
分岐は月7コマ前後です。それより少ないうちは、ストアカに載せたまま10%を払うほうが安く済みます。 月額が固定でかかる以上、コマ数が少ない講師にとって自前の予約ページは割高で、これは正直に書いておきます。
ただしこの表は手数料だけを比べたものです。ストアカ側には、 自己集客の生徒であっても一覧から新しい生徒が見つかる可能性が残ります。 その価値をどう見るかは次の章で扱います。逆に自前の予約ページ側には、 表に出てこない差がひとつあります——受講生の連絡先が自分のものになることです。 月7コマを超えるあたりから、その差はお金の面でも逆転します。
単発・都度払いに必要な機能は4つだけ
都度払いのレッスンに絞ると、必要な機能は多くありません。次の4つが揃っていれば、日程調整と回収は自動で回ります。
- 空き枠をURLひとつで見せて、その場で確定できる——カレンダーと連動し、二重予約が起きないこと
- 予約と同時に受講料を回収できる——都度払いに対応し、実施前に決済が完了すること
- ビデオ会議のURLが自動で発行・共有される——予約確定メールに含まれること
- リマインドと、変更・キャンセルが自動で処理される——受講生が自分で日程を変えられること
この4つがあれば、単発・都度払いのレッスンは自動で回ります。月謝制や前払いでまとめて売る形も、2026年9月時点では予約ツール側で扱えます——月額プランを売って月◯回まで予約できるようにする、ポイントをまとめて売って予約ごとに消費する、のどちらも設定できます(Standardプラン以上)。ポイントは「回数」ではなく残高なので、60分と30分で消費量を変えられる一方、「残り◯回」という数え方にはなりません。自社サイトへの埋め込みや校舎・講師の管理まで必要なら、そこは教室運営の管理システムの領域です。
そのうえで、手数料の構造を必ず確認してください。「プラットフォーム手数料」と「決済代行の手数料」は別物です。前者が0%でも、カード決済を使う限り後者は必ずかかります。両方を合計した「1件あたりいくら引かれるか」で比べないと、乗り換えた後に想定と合わなくなります。
以下では、この4つをすべて満たすツールの一例として、SailLab を取り上げます。
SailLab(セイルラボ)

SailLab は、予約ページ・事前決済・ビデオ会議URLの発行を1つにまとめた国産の予約システムです。都度払いのレッスンを想定した構成になっています。
- 予約ページのURLを1本送るだけで、受講生が空き枠から選んで確定できます(Google・Outlookカレンダーと同期)
- レッスン時間ごとに受講料を設定でき、予約と同時にカード決済で回収できます
- Zoom・Google Meet・Teams のURLが予約確定時に自動発行され、確認メールに含まれます
- リマインドメールと、受講生自身による日程変更・キャンセルに対応しています
使い分けの例としては、次の2枚を用意する形が現実的です。
- 体験レッスン用ページ:¥1,000の事前決済つき。無断キャンセルを抑えつつ、申込のハードルは低く保つ
- 継続受講者用ページ:通常料金で、リマインドと日程変更を自動化する
| プラン | 月額(税抜) | 受講料の回収 | SailLabの手数料 |
|---|---|---|---|
| Free | ¥0 | — | — |
| Light | ¥1,000 | — | — |
| Standard | ¥1,500 | ◯ | 3% |
| Professional | ¥2,800 | ◯ | 0% |
受講料の回収は Standard 以上の機能です。プラットフォーム手数料は Standard が3%、Professional は0%——Professional なら引かれるのは Stripe の標準決済手数料だけで、レッスン代の何割かが差し引かれることはありません(2026年7月時点。プランの詳細は料金ページを参照)。
ただし、この記事の考え方はそのまま SailLab にも当てはめてください。比べるのは料率ではなく、月額と手数料を足した合計額です。回収額が月10万円を超えるあたりからProfessionalのほうがはっきり安くなりますが、月5万円前後では両プランの差はわずかで、Standardでも十分です。単発・都度払いのレッスンを、自分の価格のまま届けたい講師に向いたツールです。
ストアカとココナラの違い(レッスンを売る場合)
同じように個人がサービスを売る場所として、ココナラと比べられることがよくあります。講師にとっての違いは料率そのものより、リピートで下がるかどうかです。
| ストアカ | ココナラ | |
|---|---|---|
| 売っている場所の性格 | 講座・レッスンを教える場 | スキル全般(デザイン・相談など) |
| 初回の手数料 | 30%(対面20%) | 22%/ビデオチャット27.5% |
| 2回目以降・自己集客 | 10%まで下がる | 下がらない |
| 受講者側の負担 | なし | 購入時に5.5%が上乗せ |
続けて来てくれる生徒が中心なら、ストアカのほうが残ります。ココナラは何回目でも率が変わらないためです。ココナラ側の実額計算はココナラの手数料の記事にまとめています。
直接契約で失うものと、その埋め方

直接契約には、手数料と引き換えに失うものがあります。ここを踏まえずに全部を切り替えると、数か月後に新規が止まります。
最大の損失は集客です。プラットフォームは検索や一覧から新しい受講生を運んできます。予約システムはこれを代替しません。もう一つは仲介です。直接契約を経験した講師は、こう書いています。
「何か問題やトラブルが起きても誰も介入してくれません。」
現実的な解は、どちらかを選ぶことではなく併用です。新規の入口はプラットフォームに残し、2回目以降を自分の予約ページに移す形にすると、集客は保ったまま手数料の総額は下がります。ストアカが自己集客の場合に10%と料率を分けているのは、この使い分けが前提にあるためです。
3つの選択肢を、判断材料ごとに並べると次のようになります。
| プラットフォーム継続 | 併用 | 直接契約のみ | |
|---|---|---|---|
| 手数料 | 高い(10〜30%) | 中(新規のみ課金) | 低い(決済手数料のみ) |
| 新規集客 | 任せられる | 任せられる | 自分で用意する |
| 予約・入金の事務 | ほぼ不要 | 継続分のみ自分 | 全部自分(要自動化) |
| トラブル時の仲介 | あり | 新規のみあり | なし |
| 向いている人 | 集客を伸ばしたい段階 | 継続受講生がいる | 集客経路が別にある |
海外の受講生を持つ場合は、時差の扱いも判断材料になります。詳細は英語対応の予約ページの作り方にまとめています。
判断チェックリスト

ここまでの内容を、そのまま判断に使える形に落とします。
- いまの生徒のうち、ストアカ送客とリピート・自己集客の割合を数えた(30%が効いている件数はどれだけか)
- 主力メニュー1回あたり、手数料と消費税を含めて「何円」引かれているかを計算した
- 月のコマ数を数え、上の表の分岐点(5,000円なら月7コマ前後)と比べた
- 新規集客をどこで担うか決めた(併用するなら、どのタイミングで移すか)
- 自社サイトへの埋め込みと校舎管理が必須ではないと確認した(月謝・前払いは予約ツール側でも扱えます)
- 日程調整と入金確認を自動化できる見込みがある(手作業のままなら差額は消えます)
上の3つまでに「はい」と答えられ、かつコマ数が分岐点を超えているなら、自分の予約ページを持つ判断は金額として見合います。逆に分岐点より下なら、ストアカに載せたままにしておくのが正解です。事前決済で無断キャンセルを抑える設計は事前決済つき予約システムの記事で、オンライン講師向けの活用例はオンライン講師の予約ページで、販売手数料をふまえた乗り換えの判断はMOSHの手数料の記事で扱っています。
まずは体験レッスン用のページを1枚だけ作って試す場合は、無料アカウントから作成できます(クレジットカード登録は不要です)。
田口 奈津子 / SailLab 編集部
SailLab 編集部で、予約受付・事前決済・無断キャンセル対策など、対面とオンラインでサービスを提供する事業者向けの記事を担当しています。