定員20名、参加費3,000円のワークショップ。満席になれば売上は60,000円ですが、Peatixで売った場合に振り込まれるのは54,870円です。差の5,130円は、チケット代の4.9%と1枚ごとの99円、それにイベントごとの振込手数料でできています。
この3つのうち、主催者が見落としやすいのは1枚ごとの99円です。チケット代が安いほど、この99円が占める割合は大きくなります。この記事では、Peatixの公式ヘルプをもとに手数料と入金・返金のルールを確認し、チケット代ごとの実質の手数料率と、自分のページで受けた場合との差を計算します。
この記事の結論
Peatixの手数料は、チケット代の4.9%+1枚99円と、イベントごとの振込手数料210円です。1枚99円がかかるため、1,000円のチケットでは実質14.8%、10,000円では5.9%と、安いチケットほど割合が重くなります。3,000円×20名なら手元に残るのは54,870円で、カード決済3.6%の自分のページなら57,840円です。
目次
セミナーや講座を1人で運営するときの手順は、個人・小規模チーム向けリソース集にまとめています。
Peatixの手数料は「4.9%+1枚99円」と振込210円
Peatixでお金がかかるのは、有料チケットを売ったときだけです。主催者向けヘルプによると、決済処理費用は「販売実績の4.9%+売れたチケット1枚につき99円」で、初期費用や月額費用はありません。無料チケットや、当日会場で支払うチケットには料金がかかりません。
売上を受け取るときには、振込手数料210円をイベントページごとに主催者が負担します。ヘルプには、2,000円のチケットが10枚売れた場合の例が載っています。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 販売金額(2,000円×10枚) | 20,000円 |
| 4.9% | −980円 |
| 99円×10枚 | −990円 |
| 振込手数料 | −210円 |
| 振込金額 | 17,820円 |
Peatixは米国のPeatix Inc.の仕組みで運営されているため、決済処理費用と振込手数料には消費税がかかりません(出典: Peatix 主催者ヘルプ「ピーティックスの利用料金・手数料について」、2026年10月3日確認)。参加者がコンビニやATMで支払う場合は、参加者側に1注文330円の手数料がかかります。
1枚99円があるから、安いチケットほど割合が重い
4.9%だけを見ると、カード決済の手数料と大きくは変わりません。ただ、1枚99円はチケット代に関係なくかかるため、チケット代に対する実質の手数料率は、値段が下がるほど上がります。振込手数料を除いて計算すると次のとおりです。
| チケット代 | 1枚あたりの手数料 | 実質の手数料率 |
|---|---|---|
| 1,000円 | 148円 | 14.8% |
| 2,000円 | 197円 | 9.9% |
| 3,000円 | 246円 | 8.2% |
| 5,000円 | 344円 | 6.9% |
| 10,000円 | 589円 | 5.9% |
計算式は「チケット代 × 4.9% + 99円」です。1,000円前後の勉強会や交流会では、売上の7分の1近くが手数料になります。参加費を決めるときは、この表のどの行に入るかを先に確かめておくと、手元に残る額を見誤りません。
3,000円×20名で、手元に残る額を比べる
同じ会を、自分のページでカード決済を受けて開いた場合と比べます。StripeやSquareの支払いリンクなら、カード決済の手数料は3.6%です。予約システムを使うと、その会社の手数料が上乗せされることがあります。
| 受け取り方 | 手数料の合計 | 手元に残る額 |
|---|---|---|
| Peatix | 5,130円 | 54,870円 |
| カード決済3.6%のページ | 2,160円 | 57,840円 |
| 3.6%+予約システムの手数料3% | 3,960円 | 56,040円 |
カード決済3.6%だけなら、どの値段でも自分のページのほうが手元に残ります。ただし、予約システムの手数料が3%上乗せされる場合は話が変わります。チケット代がおよそ5,800円を超えると、Peatixのほうが安くなります。1枚99円の影響が、値段が上がるほど薄まるからです。
この境目は「99 ÷(自分のページの手数料率 − 0.049)」で求められます。3.6%+3%なら 99 ÷ 0.017 ≒ 5,824円です。予約システムには月額料金がかかることも多いので、年に数回しか開かない会なら、その分も足して比べてください。
入金はイベントが終わってから
Peatixの売上は、各イベントの終了後5営業日以内に振り込まれます。イベントページに設定した終了日より前には振り込まれません。複数の日程を1つのイベントページで売っている場合は、最終日のあとにまとめての振り込みです(出典: Peatix 主催者ヘルプ「チケット販売代金を受け取る」、2026年10月3日確認)。
たとえば全6回の連続講座を1ページで売ると、初回の参加費が入るのは6回目が終わってからです。会場費や教材費を先に払う場合は、回ごとにページを分けるか、入金の時期を織り込んでおく必要があります。ただし、ページを分けると振込手数料210円も回数分かかります。
返金はPeatixのほうが主催者に有利な場合がある
やむを得ずイベントを中止したとき、カードで支払われた注文は、注文日から50日未満なら主催者の返金手数料なしで返金されます。コンビニ・ATM・銀行振込の注文は1件340円、注文日から50日以上たった注文は支払い方法に関係なく1件340円です(出典: Peatix 主催者ヘルプ「イベントを中止する」、2026年10月3日確認)。
一方、Stripeは返金しても最初の決済手数料3.6%を戻しません。中止や返金が起きやすい会では、この差も見ておく価値があります。
Peatixが向く会、自分のページが向く会
手数料だけで決めるより、参加者がどこから来るか、どう申し込むかで分けるほうが失敗しません。
| こういう会なら | 向いている受け方 |
|---|---|
| Peatixのサイト内で新しい参加者に見つけてほしい | Peatix |
| 1人が友人の分もまとめて買う、種類の違うチケットを並べる | Peatix |
| コンビニやATMで払いたい参加者が多い | Peatix |
| 参加者の多くがメルマガやSNSのフォロワー、前回の参加者 | 自分のページ |
| 1,000〜3,000円の会を毎月のように開く | 自分のページ |
| 1人ずつ申し込み、そのまま定員と支払いを管理したい | 自分のページ |
新しい参加者を集める段階ではPeatixの集客力に意味があり、手数料はその代金と考えられます。常連が増えてきたら、その人たちの申し込みまで1枚99円を払い続ける理由は小さくなります。
自分のページで席と支払いを受ける
自分のページで有料の会を受けるときは、次の点を確かめておきます。
- 日程ごとに定員を決められ、満席になったら自動で締め切るか
- 申し込みと同時にカード決済まで終わり、入金先が自分のアカウントか
- キャンセルが出たとき、待っている人に席が回るか
- 前日のリマインドと、オンラインなら会議のURLが自動で届くか
以下では、この点を満たすツールの一例として、SailLab を取り上げます。
SailLab(セイルラボ)

SailLab は、予約ページ・定員管理・事前決済を1つにまとめた国産の予約システムです。
- 日程ごとに定員を2〜9,999名で設定でき、残りの席数を表示し、満席で自動的に締め切る
- 申し込みと同時にカード決済まで完了し、入金先は自分のStripeアカウント
- キャンセル待ちを受け付け、空きが出たら次の人に専用のリンクで席を案内する
- 確認とリマインドのメールが自動で届き、オンラインの会ではZoomやGoogle MeetのURLも自動で発行される
できないことも書いておきます。1件の予約は1人分で、1回の注文で複数枚を買う形には対応していません。チケットの種類を並べて売る機能や、Peatixのような集客の場もありません。カード決済にはStripeの手数料3.6%がかかり、SailLab の手数料はプランによって0%または3%です。月額料金とあわせて料金ページで確認できます。常連の参加者が多い、定期開催の会に向いたツールです。セミナーでの使い方は教育・スクール向けのページでも紹介しています。
次の会で1回だけ試す
いきなりすべてを移す必要はありません。次の1回だけ、常連や前回の参加者には自分のページの申し込み先を案内し、新しい参加者向けにはPeatixのページを残しておく。1回分の手元の額と申し込みの手間を比べれば、続けるかどうかを自分の数字で決められます。
セミナーの定員とキャンセル待ちの設計はセミナー予約システムの記事、ココナラやストアカなどほかの出品型サービスとStripe・PayPalの手取りの比較は手数料の比較記事にまとめています。
次の会の申し込みページを作ってみる場合は、無料アカウントから作成できます。クレジットカード登録は不要です。
岡田 沙織 / SailLab 編集部
SailLab 編集部で、ひとりで事業を営む方や小さなチームに向けて、予約と日程調整のしくみづくりや、Googleカレンダー・Excelなど手元のツールの使い方とその限界について書いています。