同じトークで電話をかけても、相手が会社なら問題がなく、個人の自宅なら法律違反になる。テレアポにはそういう場面があります。受付を通るために用件をぼかす、断られても角度を変えてもう一度勧める。よく紹介されるコツのいくつかは、相手が個人だと特定商取引法の電話勧誘販売のルールにぶつかります。
この記事では、テレアポのコツを、最初の名乗りから日時を決めるまでの順に整理します。あわせて、個人宛てと法人宛てで何が違うのかを消費者庁の資料で確認し、電話のあとに予約ページから申し込まれた場合の扱いも確認します。
この記事の結論
テレアポのコツは、最初の15秒で会社名・名前・用件を伝え、相手の都合を確かめ、日時は電話の中で決め切らずに予約リンクで選んでもらうことです。ただし個人宛ての電話は特定商取引法の電話勧誘販売に当たり、名乗りと目的の告知、断られた後の再勧誘の禁止、書面の交付と8日間のクーリング・オフが必要です。法人宛ては対象外です。
商談や面談の日程調整の進め方は、営業・採用チーム向けリソース集にまとめています。
個人宛てか法人宛てかで、守るルールが変わる
事業者が消費者に電話で勧誘し、申し込みを受ける取引は、特定商取引法の「電話勧誘販売」に当たります。一方、「営業のため、又は営業として締結するもの」は適用除外とされているため、会社の担当者に業務の商品やサービスを提案する電話は、このルールの対象外です。
| ルール | 個人宛て | 法人宛て |
|---|---|---|
| 最初に会社名・氏名・商品の種類・勧誘の目的を告げる | 必要 | 対象外 |
| 断った人への勧誘の継続・再勧誘 | 禁止 | 対象外 |
| 申し込み・契約時の書面の交付 | 必要 | 対象外 |
| 書面を受け取ってから8日間のクーリング・オフ | あり | 対象外 |
| うその説明、事実を故意に告げない、威圧 | 禁止 | 他の法律や契約上の問題になり得る |
見落とされやすいのは、申し込みのタイミングです。消費者庁の解説によると、電話をいったん切ったあとに、相手が郵便や電話などで申し込んだ場合でも、電話の勧誘で購入の意思が決まったのであれば電話勧誘販売に当たります(出典: 消費者庁 特定商取引法ガイド「電話勧誘販売」、2026年10月3日確認)。たとえば、個人に電話で講座や個別相談を勧め、あとで申し込みページから有料の予約が入った場合も、書面の交付やクーリング・オフの対象になり得ます。個人向けにサービスを売る講師やコーチは、ここを押さえておく必要があります。
書面には、商品やサービスの種類、価格、支払時期と方法、提供時期、クーリング・オフに関する事項などを、決められた形式で書きます。クーリング・オフについては赤枠の中に赤字で書き、文字は8ポイント以上と定められています。
最初の15秒で、名乗りと用件を伝える
個人宛てでは、会社名、自分の名前、何の商品やサービスか、勧誘の目的であることを、勧誘の前に告げる義務があります。法人宛てに義務はありませんが、用件を先に言うほうが、結果としてアポにつながりやすくなります。担当者が「誰が何の用で」を判断できないまま話を聞かされると、早く切ることを考えるからです。
- 会社名と名前は、ゆっくり1回で聞き取れる速さで言う
- 用件は「○○について、15分ほどのお打ち合わせのお願いでお電話しました」と一文で言う
- 「今、1分ほどよろしいですか」と、話してよいかを確かめる
受付を通るために用件をぼかす方法がよく紹介されますが、個人宛てでは勧誘の目的を告げないこと自体が問題になります。法人宛てでも、担当者に代わった瞬間に用件がわかれば、取り次いだ人との信頼も損ないません。
勧める前に、相手の状況を2つ聞く
説明を始める前に、相手の今の状況を2つだけ聞きます。聞くことを2つに絞るのは、電話の相手が使える時間が短いからです。質問が多いと、相手は調査されているように感じます。
- いま、この分野で何を使っているか、どう運用しているか
- それについて、困っていることや変えたいことはあるか
答えに合わせて、案内する内容を1つに絞ります。合わないとわかった場合は、その場で引くほうが、次の機会につながります。
商談の場で予算・決裁者・ニーズ・時期をどの順番で聞くか、どこまでを予約フォームで先に聞けるかは、BANTの聞き方の記事で整理しています。
断られたときの引き方
個人宛てでは、契約しない意思を示した人に勧誘を続けることも、改めて勧誘することも禁止されています。「結構です」と言われたら、そこで終えます。法人宛てでは法律上の禁止はありませんが、断られたあとに角度を変えて食い下がると、次に電話する機会がなくなります。
- 「承知しました。お時間をいただきありがとうございました」と短く終える
- 時期の問題で断られた場合だけ、「○月ごろに改めてご案内してもよろしいですか」と許可を求める
- 断られた相手と理由を記録し、同じ人に同じ提案をしないようにする
アポは、日時の調整で消える
「来週あたりでご都合のよい日を」と言われ、電話を切ってからメールで候補日を送る。この往復の間に、相手の関心は下がり、返信が来ないままになりがちです。相手が「話を聞いてもいい」と言ったその電話の中で、日時まで決めてもらうのがいちばん確実です。
電話口で自分の空き時間を読み上げるより、予約ページのリンクを送り、相手の画面で空いている日時を選んでもらうほうが早く済みます。電話の最後に「いまメールでリンクをお送りしますので、ご都合のよい時間を選んでいただけますか」と伝え、つながったまま予約まで済ませてもらえば、確定まで1回の電話で終わります。
電話の前に問い合わせフォームから提案を送っておく方法もあります。送ってよいフォームの見分け方と文面はフォーム営業の記事にまとめました。名刺を交換した相手にメールで最初の打ち合わせをお願いする場合は、アポイントメールの記事が参考になります。
以下では、その予約ページを作れるツールの一例として、SailLab を取り上げます。
SailLab(セイルラボ)

SailLab は、予約ページ・カレンダー連携・リマインドメールを1つにまとめた国産の予約システムです。
- 営業担当者のカレンダーの空きだけが予約ページに表示され、ほかの予定と重ならない
- 予約が入ると確認メールが届き、オンラインならZoomやGoogle MeetのURLも自動で発行される
- チームで受ける場合は、空いている担当者に順番に割り当てられる
- 一度だけ使えるリンクを作れるので、電話した相手ごとに専用のリンクを送れる
できないことも書いておきます。SailLab には電話をかける機能や、通話の記録を残す機能はありません。架電リストや通話履歴は、ほかのツールで管理する必要があります。料金は料金ページで確認できます。営業での使い方は営業向けのページで紹介しています。
そのまま使える電話の流れ
ここまでの内容を、法人宛ての電話の流れとしてまとめると次のようになります。個人宛ての場合は、最初の名乗りに勧誘の目的を必ず含め、断られたらそこで終えます。
- 名乗り:「株式会社○○の△△と申します。□□について、15分ほどのお打ち合わせのお願いでお電話しました」
- 確認:「今、1分ほどよろしいでしょうか」
- 質問:「現在、□□はどのように運用されていますか」「何か困っていることはありますか」
- 提案:答えに合わせて、案内したい内容を1つだけ伝える
- 日時:「いま予約のリンクをメールでお送りします。ご都合のよい時間を選んでいただけますか」
- 終わり:予約の確認メールが届いたことを確かめて、お礼を言って終える
電話のあとに送る日程調整のメール文面は日程調整メールの書き方と例文、複数の担当者で商談に出る場合の日程の決め方は複数人で日程を決める方法で紹介しています。電話でアポを取る役割をチームとして立ち上げるなら、必要な人数の計算と商談の渡し方をインサイドセールスの立ち上げの記事にまとめています。
電話のあとに送る予約ページを作ってみる場合は、無料アカウントから作成できます。クレジットカード登録は不要です。
中村 遼 / SailLab 編集部
SailLab 編集部で、営業・採用の日程調整、面接や説明会の受付、士業やコンサルタントの相談の受け方についての記事を担当しています。