「うちの歩留まりは、平均と比べて悪いのだろうか」。採用がうまくいかないとき、多くの担当者が最初に気にする問いです。ところが、従業員3〜50名の会社に届く中途採用の応募は、2025年の平均で年に10.5人しかありません。
10人の応募から面接に進むのは5人ほどで、内定は2人前後です。この人数では、1人の辞退で率が10ポイントから50ポイントも動きます。平均と比べる前に、数字をどう記録し、どう読むかを決めておかないと、偶然の上下に振り回されます。この記事を読み終えるころには、自社の採用のどこで人が減っているかを1枚の表で確かめ、来月から直す場所を1つ選べるはずです。
この記事の結論
採用の歩留まりは、各段階に進んだ人数を前の段階の人数で割った割合です。2025年の中途採用では、応募者のうち面接を設定できたのは48.3%、そのうち内定は43.7%でした。ただ、従業員3〜50名の会社の応募は年に平均10.5人で、1人で率が10ポイント以上動きます。率より人数で記録し、最も人が減る段階を1つだけ直します。
目次
面接や内定後の対応については、営業・採用チーム向けリソース集で記事を探せます。
歩留まりは、次の段階に進んだ人の割合
採用の歩留まりとは、応募から入社までの各段階で、前の段階にいた人のうち何人が次の段階に進んだかを示す割合です。段階ごとに出すことで、採用のどこで人が減っているかが分かります。
計算式
式は1つだけです。次の段階に進んだ人数 ÷ その段階にいた人数 × 100で、単位は%です。たとえば応募が10人で、面接を設定できたのが5人なら、応募から面接設定までの歩留まりは50%になります。
注意したいのは、分母を必ず「1つ前の段階」にすることです。応募者数を分母にして入社者数を割ると、採用全体の歩留まりは出ますが、どこで減ったかは分かりません。全体の数字と段階ごとの数字は、別のものとして並べておきます。
段階の切り方
中途採用の段階は、会社によって多少違いますが、次の6つに分けると多くの会社に当てはまります。
| 段階 | 次へ進んだ割合の呼び方 |
|---|---|
| 応募 → 面接の設定 | 面接設定率 |
| 面接の設定 → 面接の実施 | 面接参加率 |
| 一次面接 → 最終面接 | 面接通過率 |
| 最終面接 → 内定 | 内定率 |
| 内定 → 承諾 | 内定承諾率 |
| 承諾 → 入社 | 入社率 |
書類選考を挟む会社は「応募 → 書類通過」を、面接が1回の会社は「面接通過」を省きます。新卒採用では、説明会への参加やエントリーシートの提出が最初の段階に加わります。大切なのは、一度決めた段階の切り方を1年間変えないことです。途中で切り方を変えると、前の年と比べられなくなります。
不合格と辞退を分けて数える
次の段階に進まなかった人には、2種類あります。会社が不合格にした人と、応募者が自分で辞退した人です。歩留まりの記事の多くはこの2つを一緒に数えていますが、直す場所がまったく違うので、分けて数えます。
| 進まなかった理由 | 多いときに疑うこと |
|---|---|
| 会社が不合格にした | 求人の書き方と、来てほしい人がずれていないか |
| 応募者が辞退した | 連絡の遅さ、日程の合わなさ、条件の伝え方 |
| 連絡がつかなくなった | 日程が決まるまでのやり取りが長くないか |
たとえば面接から内定までの歩留まりが30%でも、不合格が多いのか辞退が多いのかで、次にすることは正反対になります。不合格が多ければ求人を見直し、辞退が多ければ選考の速さと伝え方を見直します。
式が分かれば、比べる相手の数字が要ります。
2025年の中途採用の平均
マイナビの「中途採用状況調査 2026年版」によると、2025年の中途採用で、応募者のうち面接を設定できたのは48.3%、面接を設定した人のうち内定に至ったのは43.7%でした。従業員3名以上の企業で中途採用を担当する1,500人に、2025年12月に聞いた調査です(出典: マイナビ「中途採用状況調査 2026年版(2025年実績)」、2026年10月3日確認)。
全体の平均
1社あたりの年間の平均人数と、そこから計算した割合は次のとおりです。
| 項目(1社あたり) | 2025年 |
|---|---|
| 応募者数 | 68.4人 |
| 面接を設定した応募者数 | 33.0人 |
| 内定者数 | 14.4人 |
| 採用者数 | 12.3人 |
| 面接設定率(面接設定 ÷ 応募) | 48.3% |
| 内定率(内定 ÷ 面接設定) | 43.7% |
| 採用率(採用 ÷ 面接設定) | 37.2% |
この調査の割合は、1社ごとの率を平均したものではなく、人数の平均どうしを割った数字です。採用の多い大企業の影響を強く受けるので、そのまま自社の目標にするのには向きません。同じ調査では、面接を設定した人が連絡なしで来なかった割合が5.4%、内定を出した人が入社しなかった割合が15.0%でした。無断キャンセルは、従業員数が少ない会社ほど高い傾向です。
会社の規模で見た平均
同じ調査を従業員の規模で分けると、小さな会社の採用がどれほど少ない人数で動いているかが分かります。
| 1社あたり(2025年) | 3〜50名 | 51〜300名 |
|---|---|---|
| 応募者数 | 10.5人 | 18.9人 |
| 面接を設定した人数 | 5.1人 | 10.0人 |
| 内定者数 | 1.9人 | 4.8人 |
| 採用者数 | 1.5人 | 3.9人 |
| 面接設定率 | 48.6% | 52.9% |
| 内定率 | 37.2% | 47.8% |
| 採用率 | 30.4% | 38.8% |
3〜50名の会社では、10.5人の応募から1.5人を採用しています。応募から採用までを通すと約14%で、7人の応募でようやく1人が入社する計算です。面接設定率は全体とほぼ同じなのに、内定率と採用率は低く、面接まで来た人を採用に結びつける段階で差がついています。
2年前の数字との違い
歩留まりの平均として、2年前の2023年の数字がいまも広く引用されています。同じ調査で並べると、この2年で数字は大きく変わりました。
| 全体の平均 | 2023年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 面接設定率 | 48.6% | 48.3% |
| 内定率 | 63.2% | 43.7% |
| 採用率 | 57.5% | 37.2% |
面接設定率はほぼ同じですが、内定率は約20ポイント下がっています。2023年の63.2%を目安にすると、自社の40%台の内定率は「悪い」と見えますが、2025年の平均と比べれば普通の範囲です。平均と比べるときは、何年の数字かを必ず確かめます。
ただ、応募が年に10人の会社では、平均と比べること自体に注意が要ります。
応募が年に10人なら、率より人数で見る
人数が少ないと、1人の出入りで率が大きく動きます。応募が年に10人前後の会社では、段階ごとの率を平均と比べても、違いが本物か偶然かを見分けられません。率は参考にとどめ、人数を記録して、去年の自社と比べるのが確実です。
1人で何ポイント動くか
ある段階にいる人数を n とすると、1人が進むか進まないかで、その段階の率は 100 ÷ n ポイント動きます。3〜50名の会社の平均人数に当てはめると、次のようになります。
| 段階(分母) | 平均人数 | 1人で動く幅 |
|---|---|---|
| 面接設定率(応募) | 10.5人 | 約10ポイント |
| 内定率(面接設定) | 5.1人 | 約20ポイント |
| 内定辞退率(内定) | 1.9人 | 約50ポイント |
内定を2人に出し、1人に断られれば、内定辞退率は50%です。翌年は2人とも入社すれば0%になります。この上下は、会社の何かが変わった結果とは限りません。
本当は50%でも、30〜70%に出る
偶然のぶれがどれほど大きいかは、計算で確かめられます。仮に、ある段階を本来は半分の人が通る会社があるとします。応募者が10人のとき、その年の率が30%から70%の間のどこかに出る確率は、約89%です(二項分布で計算、10人中3〜7人が進む確率は912 ÷ 1,024)。
逆に言えば、去年50%だった段階が今年30%になっても、10人の規模ではそれだけで悪くなったとは言えません。30%以下に出る確率も、約17%あります(10人中3人以下が進む確率は176 ÷ 1,024)。6年に1回はその程度の年が来る計算です。
ぶれを小さくする方法は、数える人数を増やすことだけです。採用が少ない会社は、半年や1年の単位でまとめて数えます。月ごとの率を追いかけると、毎月違う結論が出てしまいます。
去年の自社と、人数で比べる
平均と比べるより役に立つのは、去年の自社と、同じ段階の人数を並べることです。たとえば次のような並べ方です。
| 段階 | 昨年 | 今年 |
|---|---|---|
| 応募 | 12人 | 10人 |
| 面接の設定 | 5人 | 5人 |
| 面接の実施 | 4人 | 5人 |
| 内定 | 2人 | 2人 |
| 入社 | 1人 | 2人 |
例は架空の会社のものです。人数で並べると、「面接の当日に来なかった人が1人いたが、今年は0人だった」のように、何が起きたかを1人ずつ言葉にできます。1人ずつの理由が書ければ、率を計算しなくても直す場所は見えてきます。
人数で見るには、記録が要ります。
記録は表計算1枚で足りる
採用が年に数人の会社なら、採用管理システムがなくても、表計算のシート1枚で歩留まりは追えます。応募者1人を1行にし、各段階に進んだ日を書き込むだけです。
1行に1人の記録表
列は次の程度で足ります。日付の列が埋まっていれば、その段階に進んだと数えます。
| 列 | 書くこと |
|---|---|
| 受付番号 | 氏名の代わりに使う番号(例: 2026-07) |
| 応募経路 | 求人サイト、紹介、自社サイトなど |
| 応募日 | 応募を受け付けた日 |
| 面接設定日 | 面接の日時が決まった日 |
| 面接日 | 一次面接を実施した日(来なかった場合は「欠席」) |
| 内定日 | 内定を伝えた日 |
| 承諾日・入社日 | 承諾を受けた日と、入社した日 |
| 終了理由 | 不合格、辞退、連絡なし のいずれか |
| メモ | 辞退の理由など、選考に関わることだけ |
段階ごとの人数は、各列の空欄でないセルを数えれば出ます。表計算ソフトの COUNTA 関数で、列ごとに数えるだけです。終了理由の列を必ず埋めると、前の章で触れた不合格と辞退の区別がつきます。
段階ごとの日数も同じ表から出す
日付で記録しておくと、段階ごとにかかった日数も同じ表から計算できます。面接設定日から応募日を引けば、応募から面接が決まるまでの日数です。
比べる目安として、同じマイナビの調査では、WEB面接の場合の平均が応募から面接まで12.1日、一次面接から内定まで11.0日、内定の通知から応諾まで8.9日でした。自社の日数がこれより長い段階は、辞退が起きやすい段階でもあります。日数の縮め方は、内定辞退の防止策の記事でも段階ごとに扱っています。
応募者の個人情報として扱う
この表は、応募者の個人情報の一覧でもあります。職業安定法と、それに基づく指針は、労働者を募集する会社に対して、募集の目的に必要な範囲で応募者の個人情報を集め、保管し、使うことを求めています(出典: 群馬労働局「求職者等の個人情報の取扱いについて」、2026年10月3日確認)。
指針が求める管理の内容は、次の4つです。
- 目的に必要な範囲で、正確で最新の状態に保つ
- 紛失、破壊、改ざんを防ぐ
- 権限のない人が見られないようにする
- 保管する必要がなくなった情報は、破棄または削除する
記録表では、氏名や連絡先を別のシートか採用の連絡に使っている場所に置き、歩留まりの表には受付番号だけを書くと安全です。メモ欄には、家族の職業や容姿のように、指針が原則として集めてはならないとしている情報を書かないようにします。表を共有する範囲は、選考に関わる人だけにとどめます。
記録がたまったら、どこを直すかを1つに決めます。
直す場所を1つに決める
歩留まりを出すと、どの段階も直したくなります。ただ、少人数で採用を回している会社が一度に直せるのは1か所です。減った人数が最も多く、自分たちの手ですぐ変えられる段階から手をつけます。
減った人数と、動かしやすさで選ぶ
選び方は2つの問いで決まります。1つ目は「どの段階で、最も多くの人が減ったか」、2つ目は「その段階は、来月から自分たちで変えられるか」です。
3〜50名の会社の平均で見ると、応募10.5人のうち面接に進まない人が5.4人、面接を設定した5.1人のうち内定に至らない人が3.2人です。人数で最も減っているのは、応募から面接の設定までの段階です。この段階の原因の多くは連絡の速さと日程のやり取りなので、来月から変えられます。
反対に、求人を出す媒体の変更や採用広報は、効果が出るまでに時間がかかります。減った人数が多くても、最初の1か所には向きません。
減っている場所を放っておくと、失うのは応募者だけではありません。採用したい人数に届かない分だけ、求人を出し直す費用と時間が重なります。採用が遅れれば、その間の仕事は今いる社員が抱えることになり、急いで採用した人が合わずに早く辞めれば、また最初からやり直しです。少人数の会社ほど、1人分の欠員が仕事全体に響きます。
段階ごとの原因と手
| 段階 | よくある原因 | 最初の手 |
|---|---|---|
| 応募 → 面接設定 | 連絡が遅い、日程のやり取りが長い | 当日中の連絡、日時を応募者が選ぶ |
| 面接設定 → 実施 | 他社が先に決まる、日時の勘違い | 面接日までを短く、前日のリマインド |
| 面接 → 内定 | 評価がばらつく、選考が長い | 評価基準をそろえ、回数を減らす |
| 内定 → 承諾 | 条件が分かりにくい、返事を待たせる | 書面を内定と同時に、面談を設ける |
| 承諾 → 入社 | 入社までの連絡が途切れる、現職の引き止め | 入社までの連絡を予定に入れる |
どの段階でも共通するのは、応募者が待たされている間に、他社の選考が進むことです。また、求人に書いたことと面接で聞いた話が違うと、どの段階でも辞退が起きます。仕事の中身や条件は、求人の段階から具体的に書いておきます。
面接官に伝えるとき
直す場所が面接や評価にあるとき、面接官に数字を伝える場面が出てきます。このとき率だけを見せると、「たまたまでは」という反応になりがちで、少人数ならその反応は正しい場合もあります。
伝えるときは、人数と、1人ずつの終了理由を見せます。「今年は面接後の辞退が3人で、うち2人が『面接で仕事内容がよく分からなかった』と答えた」と言えれば、面接官も自分の面接を振り返りやすくなります。誰かを責める材料ではなく、次の面接で何を説明するかを決める材料として出します。
多くの会社で最初に人が減るのは、面接の前です。
応募から面接まで:最初に人が減る場所
2025年の平均では、応募者の半分以上が面接の設定まで進みません。会社が書類で不合格にした人もいますが、連絡を待つ間に他社に決めた人や、日程のやり取りの途中で返事がなくなった人も含まれます。
連絡までの時間
応募から面接までの平均12.1日のうち、多くは連絡と日程のやり取りに使われています。応募者は複数の会社に同時に応募していることが多く、最初に連絡をくれた会社の面接から埋まっていきます。
記録表に「最初に連絡した日」の列を足すと、自社が応募から何日で連絡しているかが分かります。書類の確認に時間がかかる場合でも、受け付けたことと、いつまでに結果を伝えるかだけは、応募の当日に送っておきます。
日時は応募者に選んでもらう
会社から候補日を3つ送り、応募者が返事をし、合わなければまた送る。このやり取りが1往復増えるごとに、面接の日は数日遅れます。空いている日時を応募者が自分で選べる形にすると、往復そのものがなくなります。
働きながら転職先を探している人は、昼休みや夕方以降しか時間がとれないこともあります。オンラインの面接を選べるようにし、夕方の枠も開けておくと、日程が理由で面接を見送る人が減ります。面接前の辞退と無断欠席がどの段階で起きているかは、選考辞退と無断欠席のデータをまとめた記事にまとめています。
書類で落とす人数が多いとき
記録表の終了理由で、応募から面接の間に「不合格」が多い場合は、連絡ではなく求人の書き方を疑います。来てほしい人の条件が求人に書かれていない、または書かれていても伝わっていない状態です。
この場合は、不合格にした理由を1人ずつ並べ、同じ理由が繰り返されていないかを見ます。「必須の経験がない」が多ければ、求人の冒頭に必須の経験を書きます。応募の数は減るかもしれませんが、面接まで進む人の割合は上がり、書類を確認する時間も減ります。
面接まで来た人が、次に減る場所は内定の前です。
面接から内定まで
3〜50名の会社では、面接を設定した人のうち内定に至るのは37.2%で、全体の43.7%より低くなっています。この段階では、不合格と辞退のどちらが多いかを最初に確かめます。
不合格が多いのか、辞退が多いのか
面接のあとで不合格が多いなら、面接の前の段階、つまり求人と書類選考で、来てほしい人を絞り切れていないということです。面接で初めて分かる条件があるなら、それを求人か書類選考の段階に移します。
面接のあとで辞退が多いなら、面接そのものが、応募者に会社を選ばない理由を与えている可能性があります。面接で仕事の説明が足りなかった、結果の連絡が遅かった、面接官の態度が気になった、といった理由が考えられます。辞退した人に理由を聞き、記録表のメモ欄に残しておきます。
面接は、会社が応募者を見る場であると同時に、応募者が会社を選ぶ場です。面接の最後に、入社後に任せたい仕事と、一緒に働く人を具体的に伝えます。この会社で働く理由を面接の中で1つ渡せるかが、面接後の辞退を左右します。応募者が質問する時間を十分にとることも、その一部です。
評価の基準をそろえる
面接官が2人以上いる会社では、面接官ごとに合否の基準が違うと、この段階の歩留まりは面接官次第で上下します。全員に同じ質問をし、事前に決めた基準で点をつける形にすると、ばらつきが小さくなります。
質問と評価の基準の作り方は評価シートの4段階の回答例で、面接で聞いてはいけない事項は面接官が使える30問と14事項で確かめられます。基準をそろえることは、不合格の理由を記録表に書けるようにすることでもあります。
面接の回数と日数
同じ調査では、中途採用の面接は平均3.0回で、一次面接から内定までに11.0日かかっていました。面接が1回増えるたびに、日程を合わせる手間と、応募者が他社に決める時間が増えます。
面接の回数を減らせない場合でも、二次面接と最終面接を同じ日に続けて行う、面接の終わりにその場で次の日程を決める、といった方法で日数は縮められます。複数の面接官が全員空いている時間を探すのに時間がかかっているなら、そこも日程の仕組みで短くできます。
内定を出したあとにも、人は減ります。
内定から入社まで
2025年の中途採用では、内定を出した人の15.0%が入社しませんでした。採用が少ない会社にとって、内定を出した1人の辞退は、その年の採用がゼロになることを意味する場合もあります。
内定辞退の平均
内定辞退率は2024年の9.3%から5.7ポイント増え、従業員51〜300名の会社では18.9%と、規模別で最も高くなっています。内定の通知から応諾までの平均は8.9日で、この9日間に他社の結果と比べられるのが前提です。
3〜50名の会社の平均では、内定者1.9人に対して採用者は1.5人でした。人数が少ないので率で比べる意味は薄く、辞退が出たら、その1人の理由を記録するほうが役に立ちます。
条件の書面と、内定後の面談
この段階で効くのは、条件を書面で早く渡すことと、一緒に働く人と話す場を設けることです。2024年4月から、労働条件の明示には就業場所と業務の「変更の範囲」が加わっています。求人で示した条件と違う点がある場合は、その違いを示すことも求められています。
中途の内定者は、家族の意見や現職からの引き止めとも向き合っています。家族に見せられる条件の資料を渡す、入社日の相談に応じるといった手は、この段階で効きます。ただし、承諾の条件として家族の同意を求めるのは控えます。
内定後の面談の進め方、効果を感じる企業が多い施策、承諾から入社までの連絡の取り方は、内定辞退を防ぐ施策の記事でデータとともにまとめています。
最も人が減る面接の前の段階は、仕組みで縮められます。
面接の日程を予約ページで決める
応募から面接までの段階を縮めるには、日程のやり取りそのものを減らすのが近道です。面接官の空いている時間を見せ、応募者がその中から選ぶ形にすると、連絡は1通で済みます。
日程の仕組みに求める3つ
ツールを選ぶ場合は、次の3つを確かめます。
- 面接官の予定表と連動し、空いている時間だけを出せる。面接官が2人以上なら、全員が空いている時間だけを出せること
- 応募者ごとに渡せるリンクを作れる。一度予約されたら使えなくなるリンクなら、同じ人が何度も予約することを防げます
- 前日のリマインドに、日時と面接のURLと変更の方法が入る。日時の勘違いによる欠席と、連絡のない欠席を減らせます
以下では、この3つを満たすツールの一例として、SailLab を取り上げます。
SailLab(セイルラボ)

SailLab は、予約ページ・カレンダー連携・リマインドメールを1つにまとめた国産の予約システムです。
- 面接官のGoogleカレンダーやOutlookの予定と照らして空きを出し、複数の面接官が全員空いている時間だけを出せる
- 一度予約されると使えなくなるリンクを、応募者ごとに作れる
- 予約の時に、応募職種などの質問項目に答えてもらえる
- リマインドは送る時間を決めておくと自動で届き、ZoomやGoogle MeetのURL、日程変更とキャンセルのリンクが入る
料金は料金ページで確認できます。採用での使い方は採用向けのページで紹介しています。応募から面接までに時間がかかっている、少人数の採用チームに向いたツールです。
予約ページではできないこと
予約ページが縮められるのは、日程を決めるところまでです。SailLab には、応募者の選考状況を一覧で管理する機能や、歩留まりを自動で計算する機能はありません。この記事で紹介した記録表は、別に用意する必要があります。
連絡の手段はメールだけで、SMSやLINEでのリマインドはありません。書類選考の結果を伝えるメールに予約ページのリンクを入れ、確定とリマインドはメールで届く、という使い方になります。
最後に、来月から始める順番をまとめます。
来月から始める4つ
4つは、この順に進めると前の手順の結果が次の手順の材料になります。
- 記録表を作り、直近1年分を埋める。思い出せる範囲で構いません。終了理由の列だけは必ず埋めます
- 段階ごとの人数を、去年と今年で並べる。率ではなく人数で、何人がどこで減ったかを書き出します
- 最も多くの人が減った段階を1つ選び、手を1つ決める。多くの会社では、応募から面接までの連絡と日程です
- 半年後に、同じ表で人数を数え直す。月ごとではなく、半年か1年の単位で比べます
面接での聞き方は面接官が使える30問、内定のあとの辞退は内定辞退を防ぐ施策の記事が、この記録表の次の一歩になります。
面接の日程を応募者に選んでもらう予約ページを作ってみる場合は、無料アカウントから作成できます。クレジットカード登録は不要です。
中村 遼 / SailLab 編集部
SailLab 編集部で、営業・採用の日程調整、面接や説明会の受付、士業やコンサルタントの相談の受け方についての記事を担当しています。