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キャリアコンサルタントの独立は、仕事の入り口を3つに分けて考える

6分で読める 岡田 沙織 岡田 沙織 / SailLab 編集部
キャリアコンサルタントの独立は、仕事の入り口を3つに分けて考える

国家資格キャリアコンサルタントの登録者は6万人を超えています。そのうち、キャリアコンサルタントとしてフリーランス・個人事業主で働いている人は7.2%です。フリーランスの人が1か月に受ける相談件数の中央値は10件、活動する日数の中央値は7日でした。

この記事は、企業や公的機関に勤めながら、独立を考えているキャリアコンサルタントの方に向けたものです。独立の体験談は多くありますが、数字で全体像を示したものは多くありません。労働政策研究・研修機構の調査と厚生労働省の制度をもとに、仕事がどこから来るのか、名称と更新のルール、個人のお客様を受ける準備の順に整理します。

この記事の結論

キャリアコンサルタントとしてフリーランスで働く人は登録者の7.2%で、1か月の相談件数の中央値は10件です。仕事の多くは紹介から来ます。独立は、企業、公的機関の委託、個人のお客様という3つの入り口に分けて考え、自分で開ける個人の窓口から整えるのが現実的です。名称は、5年ごとの登録更新が切れると使えなくなります。

ひとりで相談業を始める人向けの記事は、個人・小規模チーム向けリソース集にまとめています。

独立している人は7.2%。仕事は紹介から来る

労働政策研究・研修機構が2022年に登録者7,586人から回答を得た調査では、キャリアコンサルタントとしてフリーランス・個人事業主で働く人は7.2%でした。いちばん多いのは正規雇用の51.9%、次が非正規雇用の26.9%です。

項目調査の結果
フリーランス・個人事業主の割合7.2%
フリーランスの活動日数月7日(中央値)
フリーランスの相談件数月10件(中央値)
主にこの仕事で生計を立てている人約4割。年収の最頻値は200万〜400万円未満
そこまでにかかる活動年数5年〜10年

(出典: 労働政策研究・研修機構「第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」労働政策研究報告書No.227、2023年公表、対象はキャリアコンサルティング協議会のメールサービスに登録している登録者、回収率12.9%)

同じ調査で、フリーランスの人が直近1年に仕事を得た方法として多かったのは、既存の顧客や取引先からの紹介、キャリアコンサルタントの知人からの紹介、以前の勤め先や昔の取引先からの紹介でした。広告や検索で見つけてもらうより、それまでの人間関係から仕事が来ているということです。

ここから言えるのは、独立の準備は資格の勉強より先に、紹介してくれる人を思い浮かべることから始まる、ということです。

名乗れるのは登録している間だけ

キャリアコンサルタントは、登録制で5年ごとに更新する名称独占資格です。登録していない人は「キャリアコンサルタント」や、それに紛らわしい名称を使えません。違反すると30万円以下の罰金です。紛らわしい名称の例として、厚生労働省は「キャリアコンサル」「〇〇キャリコン」なども挙げています(出典: 厚生労働省 キャリアコンサルタントWebサイト「キャリアコンサルタントとは」、2026年9月26日確認)。

独立すると、この名称を自分のウェブサイトや予約ページ、名刺に書くことになります。更新が切れた状態でそれを掲げると、名称独占の違反になりえます。更新には厚生労働大臣が指定する更新講習の受講が必要なので、講習の時間と費用を、独立後の年間計画に最初から入れておきます。

同じページは、守秘義務と信用失墜行為の禁止も定めています。独立すると、相談記録の保管や、予約フォームで何を聞くかを自分で決めることになります。この点は後の章で扱います。

登録して名乗る資格で独立するという点では、行政書士も同じです。帳簿や報酬額の掲示まで法律で決まっている例として、行政書士の開業の記事も参考になります。

仕事の入り口は、企業・公的機関・個人の3つ

独立したキャリアコンサルタントの仕事は、大きく3つの入り口から来ます。どれか1つに絞るより、性格の違う入り口を組み合わせるのが一般的です。お金の相談を組み合わせたい人は、ファイナンシャルプランナーとして独立するときの線引きをFPの独立の記事にまとめています。

入り口特徴
企業従業員面談や研修。契約単位が大きく、担当者とのつながりが要る
公的機関の委託ハローワークや自治体、学校の相談業務。期間の決まった契約が多い
個人のお客様転職やキャリアの相談を、本人が申し込んで本人が支払う

調査では、主な活動の場は企業領域が約4割、需給調整機関領域が約2割でした。2006年には需給調整機関が約5割だったので、この16年で企業への移り変わりがはっきりしています。

企業と公的機関の仕事は、相手の募集や契約のタイミングに左右されます。自分で開けて、自分で時期を決められるのは、個人のお客様の窓口だけです。紹介で来る人を受け止める場所としても、個人向けの窓口は最初に用意しておく価値があります。

個人のお客様の窓口を、自分で開く

個人のお客様を受けるときに必要なのは、申し込みの受付、日程の決定、支払い、面談の場所です。紹介で来た人に「空いている日時を3つ教えてください」とメールする形は、件数が増えるほど往復の手間がかさみます。

準備することは次の5つです。

  1. 相談メニューと料金を決める。初回の相談と、継続して伴走するコースを分けておくと選びやすくなります
  2. 空いている時間から選べる予約ページを作る。紹介してくれる人にも、そのURLを渡せます
  3. 予約フォームで聞くことを絞る。守秘義務がある以上、面談の前に集める情報は最小限にします
  4. 料金は予約の時点で受け取る。面談のあとに請求書を送る手間がなくなります
  5. オンライン面談のURLとリマインドを自動で送る。

予約フォームで心身の状態や通院歴を聞くと、その回答は個人情報の中でも特に慎重な扱いが必要な情報になります。どこまで聞くべきかは、カウンセラー開業の記事で個人情報保護委員会のガイドラインとあわせて確認しています。

以下では、この5つを満たすツールの一例として、SailLab を取り上げます。

SailLab(セイルラボ)

SailLabの予約ページで、相談料を予約と同時に支払う画面

SailLab は、予約ページ・受付フォーム・事前決済・ビデオ会議URLの発行を1つにまとめた国産の予約システムです。

  • 初回相談と継続コースで、別々の予約ページを作れる
  • 予約フォームの質問を自分で決められる。フォームの回答はカレンダーの予定に入らず、入るのは「追加のメモ」欄の内容だけ
  • 予約の時点でカード決済を受け付けられ、回数分を前払いのポイントとして販売することもできる
  • キャンセルや日程変更の期限を設定でき、相談者はメールのリンクから自分で変更できる
  • Zoom・Google Meet・Microsoft TeamsのURLを予約ごとに発行し、確認とリマインドのメールを自動で送る

できないことも書いておきます。毎週同じ枠を自動で繰り返し予約する機能はありません。企業との契約管理や、相談記録の作成もSailLab の対象外です。料金は料金ページで確認できます。

独立までの順番

勤めながら準備できることから始めます。

  1. 紹介してくれそうな人を書き出す。以前の職場、取引先、キャリアコンサルタントの仲間です。調査で仕事の入り口として多かったのは、この3つでした
  2. 登録の有効期限と更新講習の予定を確かめる。独立後に名称を使い続けられるよう、年間計画に入れます
  3. 個人向けの相談メニューを1つ作り、予約ページを用意する。勤めながら、週末や夜の枠だけで始められます
  4. 企業や公的機関の仕事を、紹介と募集の両方から探す。個人の相談で実績を積みながら、契約単位の大きい仕事を組み合わせていきます

相談業で独立する人向けには、コーチングで起業する手順やフリーランスの予約管理の記事もあります。

個人のお客様向けの相談窓口を1つ作ってみる場合は、無料アカウントから作成できます。クレジットカード登録は不要です。

岡田 沙織

岡田 沙織 / SailLab 編集部

SailLab 編集部で、ひとりで事業を営む方や小さなチームに向けて、予約と日程調整のしくみづくりや、Googleカレンダー・Excelなど手元のツールの使い方とその限界について書いています。

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