SailLab
リソース一覧に戻る

コーチングの副業は、平日夜と週末で月に何回できるか

19分で読める 中村 遼 中村 遼 / SailLab 編集部
コーチングの副業は、平日夜と週末で月に何回できるか

2026年10月21日にココナラで「コーチング セッション」と検索し、上位の出品を数えました。時間で値段をつけている単発のセッション62件のうち、60分あたりの料金の中央値は6,500円、真ん中の半分は4,500円から8,000円の間でした。[1]会社に勤めながら副業でコーチングを始める人がまず向き合うのは、この値段で月に何回受けられるか、という問いです。

この記事は、本業を続けながら有料のコーチングを始めたい人に向けたものです。勤め先の就業規則で何を確かめるか、平日夜と週末の枠から月の回数をどう決めるか、料金と手取り、最初のクライアントの集め方、予約と支払いの受け方、確定申告と住民税までを、公的な資料と実際の出品の数字で順に確かめます。コーチングの技法そのものには踏み込みません。扱うのは、副業として続けるための段取りです。

この記事の結論

コーチングの副業は資格がなくても始められますが、会社員は先に就業規則の届出を確かめ、平日夜と週末の枠から月の回数を決めます。ココナラのコーチング62件の時間単価は中央値6,500円で、月8回なら売上は約5万円です。年間の所得が20万円を超えると確定申告が要り、住民税は額にかかわらず申告が必要とする自治体があります。

副業でコーチングをする人の数字

コーチングは、対話を通じて相手が自分で目標と行動を決めるのを支える仕事です。答えを出すコンサルティングや、心の不調からの回復を支えるカウンセリングとは役割が違います。副業で始める人が知っておきたいのは、どのくらいの人が、どのくらいの時間で、いくら得ているかです。手がかりになる数字は多くありませんが、ある分は見ておきます。

日本のコーチ478人の調査

日本のコーチを対象にした調査は少なく、まとまったものとしては、関西医科大学の西垣悦代教授が2014年に行ったウェブ調査があります。協力した478人のうち、ほかの仕事を持ちながらパートやアルバイトとしてコーチングをしている「兼業コーチ」は61人(12.8%)でした。[2]

同じ調査で、独立したコーチやコーチング会社の経営者・社員など、コーチングを主な職業にしている195人に、コーチングで得ている年収を聞いています。100万円未満が40.4%で最も多く、100万円以上300万円未満が27.7%でした。1か月にコーチングをしている時間は、10時間未満が30.3%、10時間以上20時間未満が32.8%で、合わせて6割を超えます。[2]

10年以上前の、協力者を募って集めた調査なので、いまの相場をそのまま表すものではありません。それでも、コーチングを本業にしている人でも、月20時間に届かない人が多いという点は、副業の計画を立てるときの目安になります。

ココナラのコーチング62件の値段

いまの値段を見るために、2026年10月21日にココナラで「コーチング セッション」と検索し、おすすめ順の上位120件(重複を除くと119件)を数えました。[1]値段を時間で示している出品は68件で、そのうち「3回分」「1ヶ月間」のようなまとめ売り6件を除いた62件を、60分あたりの料金にそろえています。

60分あたりの料金件数
3,000円未満10件
3,000円以上5,000円未満8件
5,000円以上10,000円以下36件
10,000円を超える8件

最も安いもので1,000円、最も高いもので21,000円、中央値は6,500円でした。セッションの長さは60分が42件で最も多く、90分が9件、30分が7件です。検索結果には、転職の面接対策のようにコーチングと隣り合う出品も混ざっているため、相場の目安として読んでください。

稼げない理由の多くは、時間

副業で始めるよい点は、本業の収入があるので、値段や集客を焦らずに試せることです。一方で、使える時間には上限があります。平日は夜しか空かず、土日も家の用事があります。月に受けられる回数が先に決まり、売上はその回数と値段のかけ算でしか増えません。

たとえば60分6,500円で月8回なら、売上は52,000円です。回数を倍にするより、値段を少しずつ上げるほうが、本業への負担は小さくて済みます。ただ、その前に確かめることがあります。そもそも、いまの勤め先で副業をしてよいのかどうかです。

始める前に、勤め先で確かめること

会社員がコーチングを副業にするとき、最初に読むのは自社の就業規則です。雇われる副業でなくても、自分でセッションを売る形も副業に含まれます。どんな定めが一般的で、どんな場合に制限されうるのかを、厚生労働省のモデル就業規則で確かめます。

就業規則の届出

厚生労働省のモデル就業規則(令和7年12月版)は、第70条で、労働者は勤務時間外に他の会社等の業務に従事できると定め、会社は労働者からの届出に基づいて、一定の場合に禁止や制限ができるとしています。解説には、副業・兼業には事業主となって行うものや、請負・委託・準委任契約で行うものも含むと書かれています。[3]個人でコーチングを売ることも、届出の対象と考えておくのが自然です。

多くの会社では、このモデルをもとに届出制や許可制の定めを置いています。経団連が2022年に会員企業に行った調査では、回答した275社のうち、社員が社外で副業・兼業することを「認めている」が53.1%、「認める予定」が17.5%でした。常用労働者が5,000人以上の企業では、両方を合わせて83.9%です。[4]経団連の会員企業、つまり大きな会社が中心の数字なので、中小企業ではもっと低い可能性があります。

禁止・制限されるのは4つの場合

モデル就業規則が、会社が副業を禁止または制限できる場合として挙げているのは次の4つです。[3]

  1. 労務提供上の支障がある場合
  2. 企業秘密が漏洩する場合
  3. 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
  4. 競業により、企業の利益を害する場合

コーチングで気をつけたいのは、1と4です。夜遅くまでセッションを入れて本業に響けば1にあたりえますし、勤め先が研修やコーチングの事業をしているなら、同じ相手に同じサービスを売ることは4にあたりえます。解説は、規定を広げて解釈して必要以上に制限しないよう会社にも求めています。届出の段階で、時間帯と相手の範囲を自分から書いておくと、話が早く進みます。

公務員は許可制

公務員は事情が違います。地方公務員法第38条は、職員は任命権者の許可を受けなければ、報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない、としています。非常勤職員などの例外はあります。[5]国家公務員も、報酬を得て事業に従事するには許可が要ります(国家公務員法 第104条)。[6]有料のセッションを続けて受けるなら、始める前に所属先の許可の手続きを確かめる必要があります。2026年4月に変わった国家公務員の自営兼業の基準は公務員の副業で教室を開く記事で、公立学校の先生の扱いは教員の副業の記事で詳しく書いています。

社内の人と取引先は、クライアントにしない

最初のクライアントを身近なところで探すと、つい同僚や取引先に声をかけたくなります。しかし、社内の人のキャリアや悩みを有料で聞くと、守秘と利害の線引きがあいまいになり、3の「信頼関係」の問題になりかねません。取引先は、4の競業や利益相反に近づきます。

はじめのうちは、勤め先と関わりのない人を相手にするほうが安全です。社内でコーチングを頼まれたら、業務の一部として扱うのか、副業として扱うのかを上司と決めてからにします。勤め先の確認が済んだら、次は自分の時間を数えます。

週の枠から、月の回数を決める

副業のコーチングは、何人集めるかより先に、週に何枠開けるかを決めると続きます。集客がうまくいくほど、本業と生活の時間が削られるからです。枠の数は、残業の多い週や家の予定のある週を基準に、少なめに決めます。

使える時間を書き出す

まず1週間の予定を、本業、通勤、家事、睡眠で埋め、残った時間を書き出します。そのうえで、毎週ほぼ確実に空いている時間だけを「セッションに使える時間」とします。月に一度しか空かない夜や、残業がなければ空く夜は数に入れません。

平日の夜にセッションを入れる場合は、始まりの時刻を遅めにしておくと、残業で遅れる心配が減ります。19時開始より20時30分開始のほうが、帰宅と食事の時間をとれます。相手も会社員なら、この時間帯はむしろ好まれます。

1回に必要な前後の時間

60分のセッションには、前後の時間がかかります。前回のメモを読み返す準備に15分、終わってから記録を書き、次回の約束やお礼を送るのに15分とすると、1回あたり90分を見ておくことになります。

この前後の時間を予定に入れずに枠を詰めると、2件続いた日に記録が追いつかなくなります。予約を受ける仕組みに、前後の余白を自動で空ける設定があるなら使っておきます。

例:平日2枠と土曜2枠

火曜と木曜の20時30分に1枠ずつ、土曜の午前と午後に1枠ずつ開けた場合で数えてみます。

項目数
週に開ける枠4枠(平日2、土曜2)
月の枠(4.3週)約17枠
計画する予約数(半分)月8回
セッションにかかる時間(1回90分)月12時間

開けた枠がすべて埋まることはまずありません。キャンセルや日程の変更、本業の繁忙期もあります。計画は枠の半分、月8回くらいにしておくと、無理なく続けられます。先ほどの調査で、コーチングを本業にしている人の6割以上が月20時間未満だったことを考えると、月12時間は副業として十分な量です。月8回という数字が出たら、次はその1回をいくらにするかです。

料金の決め方と手取り

料金は、相場と、自分が月に受けられる回数から決めます。同じ6,500円でも、どこで売るかで手元に残る額は変わります。最初の値段の決め方、手取りの比べ方、体験と回数券の組み方、長いコースを売るときの注意を順に見ます。

最初の値段は、相場の下側から

実績がないうちは、相場の下側から始める人が多いようです。人材系の会社に勤めながら副業でコーチングを始め、のちに独立したダイスケさんは、noteで最初の値段を「1セッション1,500円 × 3回チケット(4,500円)」と書いています。[7]始めて2週間で、紹介とnoteからの申し込みで2件が成約したそうです。

安く始めること自体は悪くありません。ただ、いつ値段を上げるかを、始める前に決めておきます。「最初の5人まではこの値段、6人目からは5,000円」のように、人数か日付で区切ると、上げるときに迷いません。先ほどの62件では、60分5,000円未満は18件でした。最初の数人を終えたら、真ん中の帯に移ることを目安にできます。

手取りで比べる

同じ60分6,500円のセッションでも、どこで売るかで手取りは変わります。ココナラの販売手数料は通常のサービスで22%、ビデオチャットのサービスでは27.5%です(いずれも税込)。[8]自分の予約ページでカード決済を受ける場合は、Stripe の決済手数料3.6%がかかります。

売り方差し引かれる額手取り(1回)月8回
ココナラのビデオチャット(27.5%)1,788円4,712円37,696円
ココナラの通常サービス(22%)1,430円5,070円40,560円
自分の予約ページでカード決済(3.6%)234円6,266円50,128円

ココナラには、知らない人に見つけてもらえるという大きな利点があり、その分の手数料と考えることもできます。ココナラでは購入者側にも手数料がかかり、振込にも費用がかかります。くわしくはココナラの手数料を計算した記事にまとめています。最初の数件はマーケットで見つけてもらい、続ける人とは自分のページでやりとりする、という形を考える人もいます。しかしココナラは、次回以降の取引を外部で行うように誘導する行為を禁止行為に挙げています。[9]マーケットで出会った人を外に移すことはできないので、自分の予約ページは、知人の紹介やSNSなど、自分で見つけた人のために使います。

体験セッションと回数券

初めての人には、短い体験セッションを用意すると申し込みやすくなります。30分を通常より安く、あるいは無料にする形です。ただし、無料の体験ばかりが埋まって有料につながらないのは、副業コーチがよく陥る形です。体験は30分にして通常の60分と分ける、体験は1人1回まで、体験の最後に続けるかどうかを必ず聞く、という3つを決めておきます。

続ける人には、3回や5回をまとめた回数券を用意すると、毎回の支払いの手間が減ります。3回分を前払いでまとめて受け取り、期限を3か月にするような形です。期限は、相手にとっても予定を立てる目安になります。

長いコースを売るときの注意

長期の契約に書面やクーリング・オフの決まりがかかる「特定継続的役務」には7つの業種が指定されていますが、コーチングという名前の業種はその中にありません。ただし、英語や資格試験の勉強を支えるコーチングで、期間が2か月を超え、金額が5万円を超えるコースを売る場合は、語学教室や学習塾と同じ扱いになりうるため注意が必要です。対象と条件は特定継続的役務のルールを整理した記事で確かめてください。

副業のうちは、長いコースを作るより、1回ごとの予約と短い回数券にしておくほうが、管理も解約の扱いも簡単です。値段の形が決まったら、最初のクライアントを探します。

最初のクライアントを集める

副業コーチの集客は、時間が限られている前提で考えます。毎日発信する、交流会に通う、という方法は続きません。誰に向けて、どこで、どのくらいの手間で声をかけるかを決めます。

誰の、何の相談に絞るか

「なんでも話を聞きます」では、相手は自分が頼んでよいのかを判断できません。本業で身につけた経験は、副業コーチのいちばんの強みです。営業職なら若手の営業の悩み、管理職なら初めて部下を持った人、子育てと仕事を両立してきた人なら復職前の人、というように、自分が通ってきた場面に絞ると、相手も声をかけやすくなります。

ただし、勤め先と同じ業界の同じ相手に絞ると、先ほどの競業の問題に近づきます。経験は使い、相手は勤め先と重ならないようにします。

資格と、受けない相談

コーチングには、名乗るために必要な国家資格はありません。民間の認定資格は学んだことの証明になりますが、なくても始められます。一方で、うつなど心の不調の治療にあたる相談は受けません。眠れない、食べられないといった状態が続いている人には、医療機関を勧めます。カウンセリングとの線引きと、名乗れない肩書きはカウンセラーの開業で確かめる線引きの記事で整理しています。

受けない相談を先に決めて予約ページにも書いておくと、申し込む側も安心できますし、自分の負担も減ります。

練習は、回数と期限を決めて

有料にする前に、知人に練習台を頼む人は多いはずです。ダイスケさんも、友人に練習台を頼むところから始め、その友人の紹介で次の申し込みにつながったと書いています。[7]練習は大事ですが、無料の練習を何人まで、いつまで続けるかを決めておきます。「5人まで、今月末まで」のように区切らないと、有料に切り替えるきっかけを失います。

練習が終わるときに、感想と、知り合いに紹介してもらえるかを聞いておくと、最初の有料の申し込みにつながりやすくなります。

発信は週末にまとめる

SNSやnoteでの発信は、紹介の次に多い入り口です。平日に毎日書く時間はとれないので、週末にまとめて書いておく人もいます。会社員として働きながらコーチを目指す人を支援しているたくさんは、Xで「平日は本業があり、投稿が難しい。なので週末に1週間分を予約する。」と書いています。[10]

発信には、申し込める場所を1つだけ載せます。DMで日程を調整し始めると、平日の昼に返信を求められ、本業の時間に入り込みます。申し込みから支払いまでを1か所で済ませる仕組みを、次に見ていきます。

予約と支払いを、本業の時間に触らない形にする

副業のコーチングでいちばん崩れやすいのは、日程調整と支払いのやりとりが平日の昼に入り込むことです。相手が自分で空いている枠を選び、予約と同時に支払う形にしておけば、仕事中にメッセージを返す必要がなくなります。設定しておきたいことと、表示の決まりを見ていきます。

受付期限と前後の余白

予約は、セッションの何時間前まで受け付けるかを決めておきます。たとえば12時間前までにしておけば、昼休みに夜の予約が急に入ることはありません。前後の余白を自動で空ける設定があれば、準備と記録の時間も確保できます。

何日先まで予約を受けるかも決めます。本業の繁忙期がわかっているなら、その月は枠を閉じておきます。受け付ける時間帯を「平日夜」と「土曜」のように分けて登録できると、季節ごとの切り替えも簡単です。

前払いとキャンセルの決まり

セッション代は、予約のときに受け取る前払いにしておくと、当日の無断キャンセルが減り、終わってから請求する手間もなくなります。キャンセルの決まりは、「前日の21時までなら無料で日程変更、それ以降は返金なし」のように、時刻まで書いておくと迷いません。

相手が自分で日程を変更できるようにしておくと、変更の連絡を受けて調整し直す手間も減ります。自分の都合で休むときの扱いも、同じ場所に書いておきます。

特定商取引法の表示と、自宅の住所

自分のページで有料のセッションを継続して売る場合は、特定商取引法の通信販売にあたると考えて、表示を用意しておくのが安全です。第11条は、広告に価格、支払いの時期と方法、提供の時期、申し込みの撤回や解除に関することなどを表示するよう定めています。[11]

副業の場合に気になるのは、氏名や住所、電話番号を公開することです。第11条のただし書は、請求があれば遅滞なく書面や電子メールなどで提供する旨を表示すれば、表示事項の一部を省略できるとしています。[11]省略できる範囲は省令で決まっているため、表示を作るときは消費者庁の案内や専門家に確かめてください。

SailLab(セイルラボ)

以下では、こうした予約と支払いを受けられるツールの一例として、SailLab を取り上げます。

最低通知時間やバッファ時間、受付期間、非公開リンクを決める予約の受け方の設定画面

SailLab は、予約ページ・カレンダー連携・予約フォーム・リマインドメール・決済を1つにまとめた国産の予約システムです。

  • 「平日夜」「土曜」のように受け付ける時間帯を名前をつけて登録し、予約ページごとに使い分けられます。祝日や休みの日を閉じる設定もあります。Googleカレンダーや Microsoft のカレンダーと連携すれば、本業の予定が入っている時間は予約を受けません
  • 受付期限(何時間前まで受け付けるか)、前後のバッファ時間、何日先まで受け付けるかを、予約ページごとに決められます
  • 「体験セッション(30分)」と「コーチングセッション(60分)」のように予約ページを分け、それぞれに料金をつけて、予約のときにカードで支払ってもらえます。支払いの間、選んだ枠は10分間確保されます
  • Zoom、Google Meet、Microsoft Teams の会議URLが予約ごとに発行され、リマインドのメールが自動で届きます。メールには日時の変更とキャンセルのリンクが入ります

コーチングでの使い方はコーチ・カウンセラー向けのページで紹介しています。カード決済には Stripe の決済手数料3.6%がかかり、SailLab の手数料はプランによって0%または3%です。料金は料金ページで確認できます。

できないこと

できないことも書いておきます。毎月決まった額を自動で請求する月額の継続課金はできません。継続のクライアントには、回数券のようにまとめて前払いしてもらうか、1回ずつ予約してもらう形になります。毎週同じ曜日と時間をまとめて押さえる定期予約もできません。

通知はメールだけで、LINEやSMSには対応していません。また、特定商取引法の表示は、ホームページやプロフィールなど、自分で用意する場所に載せます。売上が出てきたら、次は税金の扱いです。

20万円の線と住民税

副業の税金でよく聞く「20万円」は、所得税の確定申告が要るかどうかの線です。住民税は別の決まりで動きます。最低限、この2つを分けて覚えておきます。くわしい計算や経費の扱いは、税務署か税理士に確かめてください。

20万円は売上ではなく所得

所得税法第121条は、給与を1か所から受け、年末調整を受けている人について、給与以外の所得の合計が20万円以下なら確定申告を要しないと定めています。[12]ここでいう所得は、売上から経費を差し引いた額です。

自分の予約ページで60分6,500円のセッションを受ける場合、カード決済の手数料を引いた手取りは1回6,266円でした。経費をほかに使わなかったとすると、20万円を超えるのは年に32回目のセッションからです。月に3回より多く受ける計画なら、確定申告の準備をしておくことになります。

住民税は、額にかかわらず申告する

20万円以下で所得税の確定申告をしなくてよい場合でも、住民税は別です。鹿児島市は、個人住民税は所得税と異なり、所得の多少にかかわらず申告が必要になると案内しています。[13]手続きは住んでいる市区町村によって案内が違うため、自分の自治体のページで確かめます。

副業を勤め先に届け出ておけば、税金の手続きで後から気をもむこともありません。届出は、税金の面から見ても最初にしておくことです。

記録は最初の1回から

確定申告をするかどうかにかかわらず、売上と経費の記録は最初の1回からつけておきます。日付、相手、金額、手数料、入金日の5つがあれば足ります。カード決済なら決済サービスの明細が残るので、月に一度、表に写すだけで済みます。

コーチングの講座代、書籍、オンライン会議のツール代、予約システムの利用料などは、経費として扱えるかを確定申告の前に確かめます。インボイスの登録を受けて消費税を納めている人は、2027年分からの計算方法を3割特例と簡易課税の記事で確かめておきます。ここまでで、始める前の準備はそろいました。最後に、最初の3か月を予定に落とします。

最初の3か月の予定表

副業のコーチングは、最初の3か月で「続けられる形」ができるかどうかが決まります。集客より先に、届出と枠と値段を決める順番で進めます。

時期やること
1か月目の前半就業規則を読み、副業の届出を出す。時間帯と相手の範囲を書き添える
1か月目の後半週の枠を決める(例:火・木20時30分、土曜2枠)。無料の練習を5人まで行う
2か月目体験30分と通常60分の予約ページを作り、料金とキャンセルの決まり、特定商取引法の表示を用意する。練習相手に紹介を頼む
3か月目有料のセッションを月4〜8回受ける。売上と経費の記録をつける。最初の値段から上げる時期を決める

よくある失敗は4つです。繁忙期にも枠を開けたままにして本業に響く、無料の体験だけが埋まり続ける、値段を上げる時期を決めずに安いまま続ける、知人の紹介が一巡したあとの入り口がない。予定表の各月で、この4つのどれかに当たっていないかを見直します。

月8回を半年ほど続けて、枠がいつも埋まり、値段も中央値の帯まで上げられたら、独立を考える材料がそろったと言えます。独立してから決めること、体験から継続コースまでの組み立てはコーチングで起業する手順の記事にまとめています。まずは、就業規則の副業の項目を読むところから始めてみてください。予約ページは無料アカウントから作成できます。クレジットカード登録は不要です。

参考資料

  1. ココナラ「「コーチング セッション」の検索結果」おすすめ順の上位120件を筆者が集計(時間で値段を示す単発の出品62件、2026年10月21日閲覧)
  2. 西垣悦代「日本のコーチに対するウェブ調査:コーチの現状と展望」『支援対話研究』第2号、図2・図8・図9(調査期間2014年1月15日〜3月20日、有効回答478名)(2026年10月21日確認)
  3. 厚生労働省「モデル就業規則」令和7年12月版、第70条とその解説(2026年10月21日確認)
  4. 一般社団法人日本経済団体連合会「副業・兼業に関するアンケート調査結果」2022年10月11日公表、調査期間2022年7月28日〜8月25日、回答275社(2026年10月21日確認)
  5. e-Gov法令検索「地方公務員法」第38条(2026年10月21日確認)
  6. e-Gov法令検索「国家公務員法」第104条(2026年10月21日確認)
  7. ダイスケ「【実体験】未経験からコーチング副業の始め方|独学・2週間で9000円を稼ぐまでにやったことリスト」note、2025年10月9日
  8. ココナラヘルプ「販売時の手数料について」(2026年10月21日確認)
  9. ココナラヘルプ「取引に関する禁止行為」(2026年10月21日確認)
  10. たく|コーチを目指す会社員の伴走支援(@TodayNo01)Xの投稿、2026年8月24日
  11. e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律」第11条(2026年10月21日確認)
  12. e-Gov法令検索「所得税法」第121条第1項(2026年10月21日確認)
  13. 鹿児島市「【個人住民税(市民税・県民税)申告】給与所得以外に収入がある場合、申告は必要ですか。」2025年10月1日更新(2026年10月21日確認)
中村 遼

中村 遼 / SailLab 編集部

SailLab 編集部で、営業・採用の日程調整、面接や説明会の受付、士業やコンサルタントの相談の受け方についての記事を担当しています。

シェア X / Twitter LinkedIn

予約受付を、SailLabで自動化する

カレンダー連携・自動リマインド・事前決済までを1つの予約ページに。無料プランは登録3分、クレジットカード登録は不要です。